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山形大学大学院医学系研究科先進的医科学専攻 重粒子線医学講座

  • 023-628-5401

研究内容

研究内容

即時適応粒子線治療の実現を目指す研究

これまでの放射線治療では、治療開始1~2週間前に撮影したCT画像に基づいて作成された治療計画を、治療期間を通じて継続して照射していました。しかし、腫瘍や患者の体内の状態は日々刻々と変化し、これがずれとして発生します。このようなずれを低減する技術が、各治療時に治療計画を即時に作成し直し、その日の状態に合わせた治療計画を照射するという即時適応粒子線治療という方法です。現在X線治療では即時適応放射線治療が臨床で用いられるようになっています。しかし、粒子線治療では即時適応放射線治療を実現できる技術が開発されておらず、粒子線治療が持つポテンシャルを最大限生かせていないという状況でした。このような課題に対して、我々の研究室では最新鋭の重粒子線治療装置を研究に使用できるという環境を活かし、即時適応粒子線治療を実現する技術開発を行っています。

  • 即時適応粒子線治療

AIの粒子線治療への応用

最近では様々な分野でAIを用いた技術が導入されております。放射線治療でもAIの技術に関する研究開発が急激に進み、様々に応用されております。我々の研究室では粒子線治療においてAIを用いることで、これまで解決できなかった問題を解決できるツールの開発を目指しています。特に、即時適応粒子線治療の実現のためにAIを活用する方法を研究しています。

  • AIの粒子線治療への適応

ゲル線量計を用いた重粒子線3次元線量測定

放射線治療において、治療計画で計算した線量が装置レベルで正しく実現されているかを調べる患者QAは重要なプロセスです。既存の検出器は2次元平面内での分布しか測定できませんが、放射線による化学反応で変色およびMRIでの緩和時間(T1,T2)が変化するゲル線量計を用いることで3次元の線量測定が可能となり、小線源治療の第三者測定で実用化されています。重粒子線においても、回転ガントリーを用いた複雑な照射を正確に検証するには3次元の測定手法が望ましいのですが、既存のゲル線量計では感度やLET依存性などの課題がありその技術はまだ確立されていないため、これらを解決するゲル試料の作製および解析手法の研究に取り組んでいます。

  • 重粒子線140MeV/uで照射した色素ゲル線量計
  • 重粒子線140MeV/u(コリメータ付き)で照射したポリマーゲル線量計

QA (Quality Assurance)・QC (Quality Control)をベースにした放射線治療精度を維持・向上する研究

アナログ手段として、電離箱、ガフクロミックフィルムなどの各種放射線検出器及び各種ファントムの利用により、放射線加速器の線質への確認と精度維持及び各種線量計算アルゴリズムを搭載した治療計画装置の計算精度の検証に関する研究。
一方、デジタル技術として、画像処理や機械学習を用いて、照射前後の画像データを比較し、患者の個別の生体情報や治療応答を分析し、治療計画からの誤差や変化を効率に検出し修正するシステムの開発に関する研究。
これらのアナログとデジタルの手法を組み合わせることで、放射線治療の精度をより高いレベルで維持し、患者にとって安全かつ効果的な治療を提供することを目指しています。

  • QAQC

重粒子線治療高精度化に関する研究

リアルタイム線量モニタリング手法の開発

重粒子線治療は線量集中性が極めて優れているという利点を持っていますが、現状ではこの特長をフルに活用できているとは言えません。重粒子線ビームによる線量分布を照射中にリアルタイムで可視化することで、この課題を克服できると考えています。そのための手法として、電子追跡コンプトンカメラを用いた即発γ線イメージングや、シンチレーションファイバー検出器を用いた二次粒子トラッキング手法の研究を実施しています。

  • 電気飛跡型コンプトンカメラ

MRI誘導重粒子線治療のFeasibility Study

X線治療においては、MRIで臓器をリアルタイムでモニターしながら照射するという手法がここ数年で現実化してきています。この技術を重粒子線治療に拡大するための基礎研究を実施しています。

重粒子線治療用加速器のビーム性能向上

現代のX線治療、陽子線治療、重粒子線治療はすべて、加速器で粒子を高エネルギーまで加速することで治療を行っています。重粒子線治療装置を形成するイオン源、線形加速器、シンクロトロンは多数の電磁石・電源・高周波機器等の装置からなっており、これらの動作原理を知り使いこなすことで、治療照射に用いるビームの粒子数、形状、エネルギーをより高度に制御できるようになります。しかし、大型装置である加速器を総合的に学べる大学は非常に少なく、加速器を理解した研究者・技術者は希少な存在です。加速粒子数やビーム輸送効率の向上による照射時間短縮、季節変動に対応したビーム位置測定・調整などの研究により、実際の治療に貢献するとともに加速器自体への理解を深めることを目指します。

  • 重粒子線治療用シンクロトロン
  • 加速器制御システムとビーム信号計測装置