山形大学医学部 腫瘍分子医科学講座

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腫瘍分子医科学講座における研究の紹介

腫瘍分子医科学講座では、がんの分子細胞生物学的解析から得られた知見に基づいた創薬を目指しており、単に論文発表に終わることなく実際にがんの臨床で使用され予後改善、できればがんの根治につながるような治療法を開発することを目標としています。

具体的には、がん再発の主要因でありその制御ががん根治のカギと考えられている「がん幹細胞」を主なテーマとして研究を展開していますが、これに加えて近年はドラッグリポジショニングの手法を用いてがん細胞の治療耐性にアプローチする研究、あるいは最近になって神経腫瘍学の領域で急速に注目を集めるようになった「高悪性度」髄膜腫に対する治療法開発において目覚しい成果を挙げつつあります。以下、これまでの研究の流れについて概ね時系列に沿ってその概略を説明させていただきます。

・がん幹細胞研究

【メトホルミンプロジェクト】

【JNKプロジェクト】

【がん幹細胞特性維持に関する派生研究】

【がん幹細胞のアキレス腱プロジェクト】

・がん治療耐性に関する研究

・野生型p53活性化によるがん治療に関する研究

・高悪性度髄膜種に対する新規治療法開発研究

・腫瘍分子医科学講座の研究業績リスト

 

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がん幹細胞研究

【メトホルミンプロジェクト】

腫瘍分子医科学講座開設後私たちがまず着手したのががん幹細胞研究です。講座責任者(北中)が脳神経外科専門医であることから、数あるがんの中でも特に代表的悪性脳腫瘍である膠芽腫(グリオブラストーマ)のがん幹細胞であるグリオーマ幹細胞に着目し、これを標的とする治療を開発することでヒトがんの中でも最も予後不良な一つであるグリオブラストーマの治療成績の向上に繋げようと考えました。 そこで研究戦略ということになりますが、理想的にはグリオーマ幹細胞を殺傷できる(「物理的に」消去できる)治療薬を開発できればよいのですが、一般に通常のがん細胞よりも高度な治療耐性を持つとされるがん幹細胞を生体内で正常組織・細胞にダメージを与えることなく選択的に殺傷できる薬剤の開発はさすがに困難を極めるだろうと考えられたため(注:この固定観念は後ほど私たち自身の予想外の発見により覆されます)、当初は未分化で腫瘍創始能を有する「がん幹細胞」を、腫瘍創始能を持たない「分化がん細胞(≒非がん幹細胞、通常のがん細胞)」へと分化誘導する方法を見出すことでがん幹細胞を「機能的に」消去するアプローチを選択しました。このアプローチの利点は、一旦完全分化したがん細胞はがん幹細胞に戻れないことから、理論的には一過的な治療でも永続的にがん幹細胞からの再発を抑制できる可能性がある点です(注:近年よく指摘されているように、分化「途上」にある非がん幹細胞は可塑性を有するため再度がん幹細胞化可能である一方、完全に分化にコミットした細胞の再幹細胞化の可能性は極めて低い)。そこでこのような分化誘導薬を見出すため、まず着手したのがグリオーマ幹細胞を幹細胞として維持するための分子機序の解明で、その過程で明らかになった分子を標的とした治療薬を開発する戦略を取りました。 そこでまずグリオーマ幹細胞のin vitroモデルを作成し、その幹細胞状態維持に関わる細胞内シグナルを種々のシグナル阻害剤を用いて探索しようと試みたのですが、ひとわたりスクリーニングした限りでは、単独で幹細胞状態維持に関わっているシグナル経路を見出すことはできませんでした。おそらく普通ならここで断念するところと思われますが、幹細胞状態は一旦失われると回復しないことから、私たちには「おそらくがん幹細胞は幹細胞状態の維持を単一のシグナル経路に依存することはしないだろう」との読みがありました。そこで試みとして、主だったシグナル経路を同時多発的に抑制してみたところ、PI3K/Akt経路とMAPK経路を同時遮断すると劇的にグリオーマ幹細胞の幹細胞状態が失われることが明らかとなりました。そしてその失われ方がそれぞれの経路の単独阻害の「足し算」では説明できないと考えられたため、両経路の間に何らかの相互作用があるのではとの予想のもとにさらなる検討を行なった結果、両経路の間に相互抑制的クロストークが存在することが明らかになりました。このようなシグナル経路間のクロストークはおそらく、一方の経路が何らかの理由で機能不全に陥った際に、抑制的なクロストークが解除されて残りの経路の活性化が促進されることでがん幹細胞状態の維持をしやすくしている、つまり幹細胞状態維持のためのバックアップシステム、フェールセーフシステムとして機能していると考えられます(以上の研究内容は、本文の後にリストした研究業績のNo. 5に該当)。

 以上の結果は、PI3K/Akt経路阻害剤とMAPK経路阻害剤の併用がグリオーマ幹細胞分化誘導療法となる可能性を示唆するものではありまたが、主要細胞内シグナル経路の同時遮断では正常細胞・組織に対する影響も少なからぬものになると予想されたため、この段階での治療応用は考えず、私たちは次の段階、すなわち両シグナル経路がどのように幹細胞状態の維持に寄与しているかを引き続き検討することにしました。この目的で、両経路それぞれの単独阻害、あるいは同時阻害の状態で、グリオーマ幹細胞の分化の程度と相関する形で発現や活性が変化する細胞内分子の探索を行いました。その結果、転写因子FoxO3aがPI3K/Akt、MAPK経路阻害による分化誘導の程度と相関してその発現、特にその活性(核内局在)が変化することがわかりました。そこでFoxO3aが両経路を介した幹細胞状態維持に関与しているか否か、しているとすればどのような機序で関与しているかについて検討を行なった結果、グリオーマ幹細胞において転写因子FoxO3aは両経路からリン酸化を受けることで不活化(核内移行が阻止)されており、両経路からのリン酸化の両方ともが失われて初めて活性化してグリオーマ幹細胞に分化を誘導し腫瘍創始能を失わせることが明らかになりました(業績No. 6)。

  ところで以上の結果はFoxO3aの活性化薬がグリオーマ幹細胞に対する分化誘導薬となる可能性を示唆するものでした。そこでFoxO3a活性化が期待できる薬剤の検索を行なってみたところ、糖尿病薬であるメトホルミンにその作用があることがわかったため、メトホルミンのグリオーマ幹細胞治療効果について検討を行いました。その結果、グリオーマ幹細胞の移植により形成された腫瘍(グリオーマ)を持つマウスにメトホルミンの全身投与を一過的に行うと、腫瘍中のグリオーマ幹細胞の腫瘍創始能が治療終了後も持続的に失われることが示され、メトホルミンにグリオーマ幹細胞治療効果があることが明らかになりました(業績No. 9)。

  私たちは以上のような成果をもとに特許を取得し(特許第6489517号「ガン幹細胞に対する分化促進薬及び脳腫瘍治療薬」)、基礎研究段階から共同研究を行なっていた国立がん研究センター中央病院脳脊髄腫瘍科医長 成田 善孝先生を中心に臨床試験計画を立案、AMEDより研究費(がん幹細胞を標的とした初発膠芽腫の放射線+テモゾロミド+メトホルミン併用療法の第Ⅰ・Ⅱ相臨床試験. AMED「革新的がん医療実用化研究事業」令和2年度採択課題)を得て令和3年4月より臨床試験(初発膠芽腫に対するテモゾロミド併用放射線初期治療後のメトホルミン併用テモゾロミド維持療法に関する第I・II相試験[NCCH1502])を開始しました。現在第I相試験(安全性確認・用量設定試験部分)が順調に進行中です。 尚、上記解析の過程で私たちは細胞外に存在するグルコースがメトホルミンの作用を阻害していることに偶然気づき、これをキッカケにがん幹細胞維持における細胞外グルコースの意義について検討を行いました。その結果、促通性グルコーストランスポーター(濃度依存的にグルコースを輸送)であるGLUT1を介した活発なグルコースの取り込みがグリオーマに限らず種々のがんのがん幹細胞においてその幹細胞状態を維持するために必要であることが明らかとなりました。この思いがけない発見は、「糖尿病がなぜがんの発生頻度を高くするのか?」という長らく未解明の謎に対して一つの答え(高血糖状態はがん発生の元となるがん幹細胞の維持を容易にする)を仮設提唱するに至った点においても独創性の高い研究成果と考えられます(業績No. 19)。

【JNKプロジェクト】

このプロジェクトはメトホルミンプロジェクトと同時期に始めて並行して行なってきたものです。メトホルミンプロジェクトではグリオーマ幹細胞に対して種々のシグナル阻害剤を作用させることで幹細胞状態の維持に関わるシグナル経路を同定しようとしましたが、こちらのプロジェクトでは、グリオーマ幹細胞と分化したグリオーマ細胞との間で差分的に発現や活性が変化している分子を手がかりに幹細胞状態維持に関わる分子の同定を試みました。種々の分子について探索を行なった結果、私たちはシグナルキナーゼJNKの活性が幹細胞状態で選択的に高まっていることを見出しました。そこでJNKのグリオーマ幹細胞維持における役割をin vitro, in vivoにおいて検討した結果、グリオーマ幹細胞で高まっているJNK活性はグリオーマ幹細胞維持に必要であり、JNKがグリオーマ幹細胞治療における優れた治療標的となることが明らかとなりました(業績No. 8)。

  私たちはその後グリオブラストーマに限らず他の種々のがん種のがん幹細胞でもその維持にJNKが重要な役割を果たしていることを明らかにしています(業績No. 11, 12, 15, 16)が、これまで私たちの独走状態であったがん幹細胞維持におけるJNKの役割が近年注目を集めるようになっており、がん幹細胞治療薬としてのJNK阻害薬に期待が高まっています(Semba T et al. JNK signaling in stem cell self-renewal and differentiation. Int J Mol Sci 21:2613, 2020; Tam SY and Law HK. JNK in tumor microenvironment: present findings and challenges in clinical translation. Cancers 13:2196, 2021)。これに対して私たちはすでにがん幹細胞治療効果のあるJNK(経路)阻害薬としてAS602801とCEP1347を見出しており(業績No. 24, 26)、前者については特許を取得しています(特許第6886165号「ガン抑制薬及び抗腫瘍剤、腫瘍再発防止剤、腫瘍発生予防剤」)。また、グリオブラストーマと並んでヒトがんで最も難治なものの一つとされる膵がんのがん幹細胞では、デキサメタゾンがグルココルチコイド受容体の活性化を介して(JNKを脱リン酸化により不活性化する)脱リン酸化酵素MKP1/DUSP1の発現を誘導し、JNK活性抑制により膵がん幹細胞を非幹細胞化するとともに薬剤抵抗性を失わせることを明らかにしました。動物実験においても高用量デキサメタゾンと(膵がん治療の第一選択薬である)ゲムシタビンの組み合わせが極めて高い治療効果を示すことが確認され、高用量デキサメタゾンが膵がん幹細胞に対する新たな治療法となる可能性が示されました(業績No. 42, 46)。これまでも周術期の低用量デキサメタゾンが膵がんの長期生存率を高めることが幾つかの後向き研究から指摘されていますが(Kuan LL et al. Outcomes of peri-operative glucocorticoid use in major pancreatic resections: a systematic review. HPB S1365-182X(21)00632-00638, 2021)、その機序は明らかになっていません。これに対して私たちの研究はデキサメタゾンのようなグルココルチコイドががん幹細胞除去により再発を抑制することで長期予後を改善している可能性を示すとともに、周術期の「高」用量デキサメタゾン投与が膵がん治療成績向上に貢献しうる可能性を同時に示しています。今後、AS602801、CEP1347、デキサメタゾン等については、メトホルミンと同様に、がん幹細胞治療効果を検証する臨床試験の実施につなげたいと考えています。

【がん幹細胞特性維持に関する派生研究】

上記のような一連のプロジェクトを展開する過程で、単発ではありますが、上記以外にもがん幹細胞に関する先駆的な知見を得ており、例えばがん幹細胞の幹細胞性・薬剤抵抗性維持における活性酸素の役割(業績No. 13, 20)、あるいは脂質代謝と脂質シグナル経路のがん幹細胞維持における役割(業績No. 43)などについて報告しています。特に後者(脂質代謝とがん幹細胞の関係)は、近年新たながん幹細胞研究分野として注目を集めつつあると同時に(Hu JM et al. Role of intra- and extracellular lipid signals in cancer stemness and potential therapeutic strategy. Front Pharmacol 12:730751, 2021; Roya-Garcia A et al. Lipid droplets as metabolic determinants for stemness and chemoresistance in cancer. World J Stem Cells 13:1307-1317, 2021)、肥満が発がんリスクになることはよく知られた事実でありながらその機序については未だ定かではないところ(Avgerinos KI et al. Obesity and cancer risk: emerging biological mechanisms and perspectives. Metabolism 92:121-135, 2019)、「肥満(による細胞内脂肪滴蓄積・脂質シグナル伝達活性化)ががん発生の種であるがん幹細胞維持に貢献することで発がんリスクを上昇させている」という新たな仮説提唱につながっている点で独創的な成果となっています。

【がん幹細胞のアキレス腱プロジェクト】

一般的にがん幹細胞は高度な細胞死耐性を有することが特徴とされてきたため、私たちも、前述の通り、研究開始当初はがん幹細胞「殺傷」薬の開発は念頭においていませんでした。しかしながら、全くの偶然からがん幹細胞が「固有の脆弱性」を有することに気づきました。
上記JNKプロジェクトの流れの中で、私たちはJNK活性抑制作用を持つとされる様々な薬剤のがん幹細胞に対する効果を調べていました。そしてその一つとしてリコカルコンAと呼ばれる生薬甘草(リコリス)の抽出成分に興味を持ちグリオーマ幹細胞を処理してみたところ、劇的な細胞死が起きることがわかりました。試しに正常線維芽細胞や、分化したがん幹細胞を用いて同様の実験を行うと、ほとんど細胞死が起きないことも確認されました。このことはがん幹細胞が、分化したがん幹細胞にはない固有の「弱点」を有しており、リコカルコンAはその弱点をターゲットとしているということを意味しています。JNKがそのターゲットでないことは明らかでしたので、私たちはリコカルコンAのその他のターゲット候補について調べてみることにしました。実はリコカルコンAにはミトコンドリア呼吸を抑制する作用があることが以前から知られていました。そこでミトコンドリア呼吸の阻害剤を用いて検討を行なったところ、グリオーマ幹細胞だけが選択的に殺傷されることが確認され、ミトコンドリア呼吸(酸化的リン酸化)がグリオーマ幹細胞に固有の脆弱性であることが明らかとなりました(業績No. 29)。この偶然の発見をを契機にグリオーマ幹細胞と、グリオーマ幹細胞を分化誘導した後の細胞をペアにして比較検討した結果、グリオーマ幹細胞では分化細胞と比較して酸化的リン酸化に関わる分子(ミトコンドリアDNAにコードされる呼吸鎖複合体III, IVの構成要素)の発現が高まっており、酸化的リン酸化活性も高く、かつその生存が酸化的リン酸化に依存していることが明らかとなりました。またこの研究の過程で、加齢黄斑変性に対する治療目的で眼科領域で臨床に用いられているverteporfinという薬剤がミトコンドリア呼吸抑制作用を介してグリオーマ幹細胞を選択的に殺傷することを発見しました(業績No. 39)。

 以上のような「がん幹細胞に固有の脆弱性が存在する」との発見のもと、私たちはがん幹細胞と、そのがん幹細胞を分化誘導した細胞をペアにして、がん幹細胞を選択的に殺傷できる薬剤の探索を行いました。その結果、葉酸代謝拮抗薬であるメソトレキセートががん幹細胞を選択的に殺傷すること、さらにはグリオーマ幹細胞では分化細胞に比べて葉酸の細胞内取り込みに関わるトランスポーターが高発現しており、その生存を葉酸代謝に依存していること(=活性化した葉酸代謝への依存がグリオーマ幹細胞の特徴であること)が明らかになりました。ここで極めて意義深いことに、動物実験の結果からは、グリオーマ幹細胞の移植により腫瘍を形成させたマウスに対してメソトレキセート単独の全身投与を行なっても腫瘍中のがん幹細胞を減少させることができないことが判明しました。これに対して私たちは、以前から腫瘍を構成するがん細胞の中には1)がん幹細胞、2)完全分化してがん幹細胞に戻れない分化細胞、の他に3)分化の途上にあって見かけ上がん幹細胞としての性質は失っているが、がん幹細胞に戻ることも、そのまま完全分化することもできる「分化途上細胞」が存在すると考えていたため、このような結果はがん幹細胞殺傷薬により失われたがん幹細胞を補填するため「分化途上細胞」が再幹細胞化したとの仮説により説明できるのではないかと考えました。そしてもしその考えが正しければ、分化誘導薬を併用することで分化途上細胞の再幹細胞化を阻止すれば、メソトレキセートのグリオーマ幹細胞殺傷効果がキャンセルされることもなくなるのではないかと考えました。そこで改めて動物実験によりグリオーマ幹細胞殺傷薬であるメソトレキセートと私たちが開発した分化誘導薬であるCEP1347の組み合わせ効果を検討した結果、いずれか単独の投与よりも両薬の併用が腫瘍中のがん幹細胞をより効率よく消去できることが明らかとなりました(業績No. 47)。この成果は「がん幹細胞殺傷薬と分化誘導薬の併用が効果的ながん幹細胞治療戦略となる」という概念を提唱した点で先駆的・画期的ではありますが、現段階では併用効果の機序自体は実証されたわけではなく、仮説の域を出るものではありません。これまでの私たちの研究結果によれば、分化誘導薬で治療を行なった後も、わずかながらではありますが一定の割合で残存するがん幹細胞が存在します(業績No. 8, 9, 24, 26)。従って私たちは、がん幹細胞殺傷薬はがん幹細胞の初期数を減らすことで分化誘導薬治療後に残存するがん幹細胞を減ずる一方、上述の通り、分化誘導薬はがん幹細胞殺傷薬によるがん幹細胞殺傷後生じる分化途上細胞の再幹細胞化を防ぐことで協調的にがん幹細胞治療効果を発揮している、と考えていますが、このような仮説は今後実証する必要があり、また、現在そのプロセスにあります。

がん治療耐性に関する研究

腫瘍分子医科学講座はがんの基礎研究講座ですが、がんの薬物療法を専門とする臨床腫瘍学講座と長年にわたり共同研究を行なっています。臨床腫瘍学講座からの大学院生が中心となってこれまで主としてドラッグリポジショニングの手法を活用したがん治療耐性克服薬開発研究を進めてきました。多岐にわたる薬剤探索の結果、がん治療以外の目的で日常臨床に用いられている多くの薬剤に、代表的なアポトーシス耐性タンパクとして様々ながん治療耐性に関わることで知られるsurvivinの発現を抑制する作用があることを見出すなどして、種々のがんに対してその主治療との併用で主治療の治療効果を高められる薬剤を報告してきました(業績No. 21, 23, 28, 30, 3238, 40, 45)。

野生型p53活性化によるがん治療に関する研究

上記一連の研究過程で多様な抗がん作用(がん幹細胞抑制効果、抗がん剤耐性抑制効果)を有することが明らかになった(業績No. 26, 41)MLK3阻害薬CEP1347(結果としてシグナル経路下流にあるJNK活性を抑制)に関心を持った眼科学講座からの大学院生が、眼科腫瘍に対するCEP1347の効果を調べてみたいと考え、眼科腫瘍の代表である網膜芽腫細胞の細胞株を用いて検討を始めました。その結果、CEP1347は「がん幹細胞でない」網膜芽腫細胞に対して「単独で」増殖抑制効果を示すことがわかりました。そこで次にどのような機序でCEP1347が網膜芽腫細胞の増殖を抑制しているのかを明らかにしたいと考えましたが、ここで網膜芽腫が他の多くのヒトがんと異なりp53遺伝子変異が稀であるという特徴に着目し、まず手始めにp53について調べてみることにしました。その結果、CEP1347処理により網膜芽腫細胞のp53発現・活性が高まってp53の標的遺伝子でCDKインヒビターであるp21の発現が誘導されていることが明らかになり、CEP1347による増殖抑制がこのp53活性化を介するものであることがわかりました。そこでさらに、CEP1347がどのようにp53を活性化しているかを調べるため、網膜芽腫でしばしば発現が亢進していてp53を機能的に抑制することが知られているMDM2、MDM4の発現を検討したところ、CEP1347はMDM4の発現を抑制していることが明らかになりました。検討を行なったほとんどの網膜芽腫細胞株はMDM4を高発現し、CEP1347によりMDM4の発現抑制、p53活性化、増殖抑制が観察されたのに対し、ただ一つだけ例外的にMDM4を発現しない網膜芽腫細胞株では上記のようなCEP1347の効果が認められませんでした。このような結果に基づき私たちは、「MDM4抑制を介したp53活性化」というCEP1347の新たな薬理作用を報告しました。また、網膜芽腫の例に見られるように、野生型p53を発現するヒトがんではMDM4過剰発現によるp53の機能的不活性化がしばしばみられることから(Duffy MJ et al. Targeting p53 in the treatment of cancer. Semin Cancer Biol, online ahead of print)、CEP1347が今後こういった野生型p53を発現するヒトがんに対する新たな治療戦術となる可能性を提唱しました(業績No. 41)。

(注:網膜芽腫は遺伝子導入が困難なため詳細な遺伝子レベルでの解析が困難でしたが、その後他のがん種由来の種々の[野生型p53を持つ]がん細胞株を用いて検討を行なったところ、CEP1347によるp53活性化にMDM4発現抑制が因果関係的に関わっていることが明らかになっています。加えて、CEP1347が網膜芽腫に限らず種々のがん種の野生型p53がん細胞においてMDM4抑制・p53活性化作用を持つことも確認されています。興味深いことに、CEP1347のMDM4阻害剤としての作用はMLK3阻害作用では説明できないため、私たちは新たなCEP1347の標的同定の試みを計画しており、より選択的で効果的なMDM4阻害剤の開発が期待されます)

高悪性度髄膜腫に対する新規治療法開発研究

私たちは上述のように、悪性脳腫瘍の代表であるグリオブラストーマを中心に研究を進め、そこで得られた成果を他の難治がんに応用する形で研究を展開してきました。一方、髄膜腫は代表的良性脳腫瘍で多くの場合は手術治療で根治できることから、これまで私たちは研究対象としては捉えてきませんでした。しかしながら、髄膜腫のうち2割程度は「高悪性度」髄膜腫(high-grade meningioma: HGM)と呼ばれ、手術摘出ができても再発し徐々に身体機能を蝕んだり、場合によっては致死的になる髄膜腫が存在します。そしてこのようなHGMに対して有効な抗がん剤はこれまで存在しませんでした。偶然のことですが、講座責任者が学会で同期の脳神経外科医と雑談している中で「(すぐに患者さんが亡くなる)グリオブラストーマを治す薬も作って欲しいけど、HGMで長い間苦しい思いをする患者さんを救う薬も作ってよ。実験に必要な(HGMの培養)細胞なら提供するからさ。」と依頼されたことがきっかけでこのプロジェクトが始まりました。近年は抗がん剤開発というと対象とするがんの遺伝子・分子生物学的特徴に基づいた分子標的治療薬の開発がトレンドですが、私たちがとった戦略はあえてそういったトレンドに逆行するものでした。HGMに関して文献を調べてみると、一部に遺伝子・分子生物学的解析結果に基づいて分子標的治療薬を開発しようという動きはあったものの基本的には未開の研究領域で、いわゆる従来の抗がん剤についてこれまでに十分な探索が行われた形跡がないように感じられました。そこで私たちは既存の抗がん剤の中にも「まだ見ぬHGM治療薬」が存在するのではないかと考え、腫瘍内科からの大学院生に他のがんの治療に臨床的に用いられている種々の抗がん剤のHGM細胞株に対する効果を調べてもらいました。その結果、HGMの細胞が主に膵がんの治療に用いられているゲムシタビンに極めて感受性であることが明らかとなりました。少なくともin vitroでは膵がんの細胞株と比較してもはるかに低い濃度で高い細胞増殖抑制効果が得られたことから、マウスを用いてin vivoでの治療効果を検討しましたところ、ゲムシタビンはマウスに形成させた髄膜腫の増大を長期にわたって制御可能であることが確認されました(業績No. 27)。こういった成果を参考にして私たちとは別グループの腫瘍内科チームがゲムシタビンを少数例の再発髄膜腫患者さんに投与してみたところ、顕著な治療効果が見られる一方副作用はないかあっても極めて軽いことが明らかとなり(論文著者らは“The results are exciting and warrant further evaluation”と表現)、正式に臨床試験が開始されることになりました(Khaddar S et al. Gemcitabine in recurrent meningioma. South Asian J Cancer 9:261, 2021)。また、最新の髄膜腫診療ガイドラインの中でも、将来の髄膜腫治療薬の有力候補の一つとしてゲムシタビンが取り上げられるなど(EANO guideline on the diagnosis and management of meningiomas. Neuro-Oncol 17:e383-391, 2021)、ますます髄膜腫治療薬候補としてのゲムシタビンに注目が集まっています。

 このようにゲムシタビンの髄膜腫治療への応用の機運が高まる中で私たちが取り組みたいと考えたことの一つが、「なぜかくもHGM細胞はゲムシタビン感受性が高いのか?」という疑問を解明することです。この疑問に対しては極めてオーソドックスなアプローチで解決を目指しました。すでに膵がんでの研究などからゲムシタビン感受性には細胞内取り込みのトランスポーターであるhENT1と細胞内でゲムシタビンを活性化する律速酵素であるdCKが重要であることが知られていました。そこでこれら2つの分子の役割をin vitroで検討したところ、ゲムシタビン感受性の低い良性髄膜腫由来細胞株では両分子の発現が低いのに対して、HGMの細胞株では悪性度とゲムシタビン感受性が高くなるとともに両分子の発現が高まること、さらにHGMに発現するhENT1、dCKはそれぞれがいずれもゲムシタビン感受性に寄与していることが確認されました。一方全く予期していなかった結果として、hENT1がdCKの発現制御とHGM細胞の増殖に深く関わっているという知見が得られました。後者についてはおそらくhENT1がDNA合成に必要なヌクレオシド取り込みに関与しているためと考えられます。次にこれらのin vitro実験の結果が実際に臨床的に意味のあるものかを確かめるため、山形大学、鹿児島大学の脳神経外科学講座の協力を得て髄膜腫の手術サンプルにおけるhENT1、dCKの発現を調べてみました。in vitroの実験結果に一致して、手術サンプルにおいてもHGMでは良性髄膜腫に比較してhENT1、dCKともに足並みを揃えて高発現していることが確認されました。また、こちらもin vitroの実験結果に一致して、髄膜腫手術サンプルにおいてもhENT1(とdCK)の発現が高いほど腫瘍細胞の増殖能力も高くなることが明らかになりました。そこでhENT1(とdCK)発現と髄膜腫の予後(再発のしやすさ)についても検討を試みてみたところ、予想通り両分子の発現が高いほど再発が早くなることがわかりました。ここで予想外だったのが、髄膜腫細胞の増殖に直接関わるhENT1よりも、増殖への直接関与が乏しいdCKの方が髄膜腫の予後とより強い相関を示したことです(その理由は現時点では不明です)。髄膜腫は病理組織学検査により良性のものと高悪性度のものに分けられますが、私たちの解析からは「病理組織学的に良性でもdCKを高発現する髄膜腫」は早期に再発することが判明しました。今後症例数を増やして確認する必要はありますが、dCKを用いた分子診断が病理検査を補う有力な補助診断となる可能性が考えられます。以上の一連の成果は、hENT1とdCKの発現が髄膜腫の悪性化に寄与するとともにゲムシタビン感受性を高めていることを示唆するものであり、なぜHGMがゲムシタビン感受性であるかを説明するとともに、将来的にはhENT1とdCKをバイオマーカーとすることで「再発の可能性が高くかつゲムシタビンの効果が期待できる」髄膜腫症例を選別できる可能性につながるものです。また、上述の通り、比較的簡便に行うことのできるdCKの免疫染色を併用することで、従来の病理診断の予後予測の精度を大きく高められる可能性も考えられます(業績No. 44)。

 ところで今後のHGMに対するゲムシタビン治療応用を考える上で私たちが検討したいと考えたもう一つの項目が、HGMの治療にしばしば用いられる放射線の治療効果にゲムシタビンが与える影響です。この点について検証を試みたところ、ゲムシタビンに放射線の治療効果を高める増感作用があることがin vitro、in vivoで確認されました。興味深いことに、ゲムシタビンと放射線は、それぞれ単独ではごく軽微ですが、両者を併用するとHGM細胞に劇的な「細胞老化(senescence)」を引き起こすことがわかりました。ただし、治療により誘導された老化細胞は放置するとまた増殖を再開する可能性が指摘されていて、そのような細胞に細胞死を誘導して除去(senolysis)するための薬剤として「老化細胞除去薬(senolytic drugs)」が存在します(Saleh T et al. Therapy-induced senescence: an “old” friend becomes the enemy. Cancers 12:822, 2020)。そこで私たちもゲムシタビンと放射線の併用により細胞老化を起こしたHGM細胞を細胞死により除去できないか検討してみることにしました。細胞老化の種類によって有効なsenolytic drugが異なることから種々のsenolytic drugsのスクリーニングを行った結果、ゲムシタビンと放射線の併用でHGM細胞に誘導される細胞老化に対してはBcl-2阻害薬としても知られるnavitoclaxがアポトーシス誘導を介して高いsenolysis活性を示すことが明らかになり、動物実験においても3者(ゲムシタビン、放射線、navitoclax)の組み合わせが強力な抗腫瘍効果を示すことが確認されました。以上の成果は現在すでにHGMの治療に用いられている放射線治療にゲムシタビンを上乗せする併用療法が有用であることを示唆するにとどまらず、そこにさらにnavitoclaxを組み合わせて腫瘍細胞にsenolysisを起こすことで治療の根治性を高められる可能性を示すものとなりました(業績No. 48)。前述の再発髄膜腫に対するゲムシタビンの有効性を検討する臨床試験はゲムシタビンの「単独効果」を調べるものですが、単独治療の有効性が確認され次第、放射線との組み合わせ治療の効果を検証する臨床試験が開始されるものと考えられます。

以上、私たちのこれまでの研究について紹介させていただきました。メトホルミンプロジェクトのように私たち自身の手ですでに臨床試験に入っているもの、高悪性度髄膜腫プロジェクトのゲムシタビンのように、私たち自身によるものではありませんが臨床試験が開始されているもの、AS602801、 CEP1347、デキサメタゾンなど臨床試験を視野に入れつつあるもの、その前段階で開発中の薬剤など私たちの講座ではさまざまな段階で新たながん治療法が開発中にあります。この研究紹介では、priorityの関係で、原則として現在進行中のプロジェクトについては言及を避けるようにしています。「がん幹細胞アキレス腱プロジェクト」、「野生型p53活性化によるがん治療に関する研究」では例外的に現在進行中の研究の方針について触れていますが、その他のプロジェクト・研究についても当然発展的に研究が進行していて、新たな治療薬候補が生まれつつあります。

腫瘍分子医科学講座の研究業績リスト

以下、主な部分が腫瘍分子医科学講座で行われた研究の業績リスト(=当講座メンバーが筆頭著者で、当講座スタッフが責任著者となっている論文を抜粋)となります。

尚、被引用回数は2021年11月15日時点のもので、Web of Scienceの数値をWoS、Google Scholarの数値をGSとして青字で表示しています。また11月24日時点でのInCitesデータセットを元に算出した、同時期同分野で出版された論文における被引用頻度パーセンタイル(上位何%に入っているか)を赤字で表示し、トップ10%論文は網掛けしてあります。

  1. Sato A, Sunayama J, Matsuda KI, Tachibana K, Sakurada K, Tomiyama A, Kayama T, Kitanaka C: Regulation of neural stem/progenitor cell maintenance by PI3K and mTOR. Neurosci Lett. 2010;410:115-120 (WoS = 58, GS = 79, Top 19.4% ) PDF
  2. Sato A, Sakurada K, Kumabe T, Sasajima T, Beppu T, Asano K, Ohkuma H, Ogawa A, Mizoi K, Tominaga T, Kitanaka C, Kayama T: Association of stem cell marker CD133 expression with dissemination of glioblastomas. Neurosurg Rev. 2010;33:175-184 (WoS = 27, GS = 39, Top 23.3 %) PDF
  3. Tomiyama A, Tachibana K, Suzuki K, Seino S, Sunayama J, Matsuda KI, Sato A, Matsumoto Y, Nomiya T, Nemoto K, Yamashita H, Kayama T, Ando K, Kitanaka C: MEK-ERK-dependent multiple caspase activation via mitochondrial proapoptotic Bcl-2 family proteins is essential for heavy ion irradiation-induced glioma cell death. Cell Death Dis. 2010;1:e60 (WoS = 34, GS = 44, Top 41.1%)PDF
  4. Sunayama J, Sato A, Matsuda KI, Tachibana K, Suzuki K, Narita Y, Shibui S, Sakurada K, Kayama T, Tomiyama A, Kitanaka C: Dual blocking of mTor and PI3K elicits a prodifferentiation effect on glioblastoma stem-like cells. Neuro-Oncol. 2010;12:1205-1219 (WoS =68, GS = 100, Top 11.1%) PDF
  5. Sunayama J, Matsuda KI, Sato A, Tachibana K, Suzuki K, Narita Y, Shibui S, Sakurada K, Kayama T, TomiyamaA, Kitanaka C: Crosstalk between the PI3K/mTOR and MEK/ERK pathways involved in the maintenance of self-renewal and tumorigenicity of glioblastoma stem-like cells. Stem Cells. 2010;28:1930-1939 (WoS = 149, GS = 211, Top 2.67 %) PDF
  6. Sunayama J, Sato A, Matsuda KI, Tachibana K, Watanabe E, Seino S, Suzuki K, Narita Y, Shibui S, Sakurada K, Kayama T, Tomiyama A, Kitanaka C: FoxO3a functions as a key integrator of cellular signals that control glioblastoma stem-like cell differentiation and tumorigenicity. Stem Cells. 2011;29:1327-1337 (WoS = 65, GS = 98, Top 10.1 %) PDF
  7. Sato A, Sunayama J, Matsuda K, Seino S, Suzuki K, Watanabe E, Tachibana K, Tomiyama A, Kayama T, Kitanaka C: MEK-ERK signaling dictates DNA-repair gene MGMT expression and temozolomide resistance of stem-like glioblastoma cells via the MDM2-p53 axis. Stem Cells. 2011;29:1942-1951 (WoS = 73, GS = 99, Top 8.20 %)PDF
  8. Matsuda K, Sato A, Okada M, Shibuya K, Seino S, Suzuki K, Watanabe E, Narita Y, Shibui S, Kayama T, Kitanaka C: Targeting JNK for therapeutic depletion of stem-like glioblastoma cells. Sci Rep. 2012;2:516 (WoS = 58, GS = 81, Top 13.5 %) PDF
  9. Sato A, Sunayama J, Okada M, Watanabe E, Seino S, Shibuya K, Suzuki K, Narita Y, Shibui S, Kayama T, Kitanaka C: Glioma-initiating cell elimination by metformin activation of FOXO3 via AMPK. Stem Cells Transl Med. 2012;1:811-824 (WoS = 119, GS = 170, Top 5.31 %) PDF
  10. Sato A, Okada M, Shibuya K, Watanabe E, Seino S, Suzuki K,Narita Y, Shibui S, Kayama T, Kitanaka C : Resveratrol promotes proteasome-dependent degradation of Nanog via p53 activation and induces differentiation of glioma stem cells. Stem Cell Res. 2013;11:601-610 (WoS = 61, GS = 75,Top 9.52 %) PDF
  11. Kitanaka C, Sato A, Okada M: JNK signaling in the control of the tumor-initiating capacity associated with cancer stem cells. Genes Cancer. 2013;4:388-396 (WoS =33, GS = 49, Top -- %) PDF
  12. Okada M, Shibuya K, Sato A, Seino S, Watanabe E, Suzuki S, Seino M, Kitanaka C: Specific role of JNK in the maintenance of the tumor-initiating capacity of A549 human non-small cell lung cancer cells. Oncol Rep. 2013;30:1957-1964 (WoS = 28, GS = 34, Top 30.9 %) PDF
  13. Sato A, Okada M, Shibuya K, Watanabe E, Seino S, Narita Y, Shibui S, Kayama T, Kitanaka C: Pivotal role for ROS activation of p38 MAPK in the control of differentiation and tumor-initiating capacity of glioma-initiating cells. Stem Cell Res. 2014;12:119-131 (WoS = 88, GS = 131, Top 3.34 %) PDF
  14. Okada M, Sato A, Shibuya K, Watanabe E, Seino S, Suzuki S, Seino M, Narita Y, Shibui S, Kayama T, Kitanaka C: JNK contributes to temozolomide resistance of stem-like glioblastoma cells via regulation of MGMT expression. Int J Oncol. 2014;44:591-599 (WoS = 40, GS = 60, Top 16.5 %) PDF
  15. Okada M, Shibuya K, Sato A, Seino S, Suzuki S, Seino M, Kitanaka C: Targeting the K-Ras – JNK axis eliminates cancer stem-like cells and prevents pancreatic tumor formation. Oncotarget. 2014;5:5100-5112 (WoS = 44, GS = 54, Top 14.7 %) PDF
  16. Seino M, Okada M, Shibuya K, Seino S, Suzuki S, Ohta T, Kurachi H, Kitanaka C: Requirement of JNK signaling for self-renewal and tumor-initiating capacity of ovarian cancer stem cells. Anticancer Res. 2014;34:4723-4731 (WoS = 22, GS = 25, Top 36.2 %) PDF
  17. Sakaki H, Okada M, Kuramoto K, Takeda H, Watarai H, Suzuki S, Seino S, Seino M, Ohta T, Nagase S, Kurachi H, Kitanaka C: GSKJ4, a selective Jumonji H3K27 demethylase inhibitor, effectively targets ovarian cancer stem cells. Anticancer Res. 2015;35:6607-6614 (WoS = 41, GS = 55, Top 15.0 %) PDF
  18. Seino M, Okada M, Shibuya K, Seino S, Suzuki S, Takeda H, Ohta T, Kurachi H, Kitanaka C: Differential contribution of ROS to resveratrol-induced cell death and loss of self-renewal capacity of ovarian cancer stem cells. Anticancer Res. 2015;35:85-96 (WoS = 34, GS = 52, Top 18.7 %) PDF
  19. Shibuya K, Okada M, Suzuki S, Seino M, Seino S, Takeda H, Kitanaka C: Targeting the facilitative glucose transporter GLUT1 inhibits the self-renewal and tumor-initiating capacity of cancer stem cells. Oncotarget. 2015;6:651-661 (WoS = 102, GS = 140, Top 3.01 %)PDF
  20. Suzuki S, Okada M, Shibuya K, Seino M, Sato A, Takeda H, Seino S, Yoshioka T, Kitanaka C: JNK suppression of chemotherapeutic agents-induced ROS confers chemoresistance on pancreatic cancer stem cells. Oncotarget. 2015;6:458-470 (WoS = 57, GS = 74, Top 8.21 %) PDF
  21. Takeda H, Okada M, Suzuki S, Kuramoto K, Sakaki H, Watarai H, Sanomachi T, Seino S, Yoshioka T, Kitanaka C: Rho-associated protein kinase (ROCK) inhibitors inhibit survivin expression and sensitize pancreatic cancer stem cells to gemcitabine. Anticancer Res. 2016;36:6311-6318 (WoS = 15, GS = 18, Top 39.9 %) PDF
  22. Watarai H, Okada M, Kuramoto K, Takeda H, Sakaki H, Suzuki S, Seino S, Oizumi H, Sadahiro M, Kitanaka C: Impact of H3K27 demethylase inhibitor GSKJ4 on NSCLC cells alone and in combination with metformin. Anticancer Res. 2016;36:6083-6092 (WoS = 22, GS = 25, Top 28.9 %) PDF
  23. Suzuki S, Okada M, Kuramoto K, Takeda H, Sakaki H, Watarai H, Sanomachi T, Seino S, Yoshioka T, Kitanaka C: Aripiprazole, an antipsychotic and partial dopamine agonist, inhibits cancer stem cells and reverses chemoresistance. Anticancer Res. 2016;36:5153-5161 (WoS = 24, GS = 33, Top 22.9 %) PDF
  24. Okada M, Kuramoto K, Takeda H, Watarai H, Sakaki H, Seino S, Seino M, Suzuki S, Kitanaka C: The novel JNK inhibitor AS602801 inhibits cancer stem cells in vitro and in vivo. Oncotarget. 2016;7:27021-27032 (WoS = 30, GS = 39, Top 17.3 %) PDF
  25. Seino M, Okada M, Sakaki H, Takeda H, Watarai H, Suzuki S, Seino S, Kuramoto K, Ohta T, Nagase S, Kurachi H, Kitanaka C: Time-staggered inhibition of JNK effectively sensitizes chemoresistant ovarian cancer cells to cisplatin and paclitaxel. Oncol Rep. 2016;35:593-601 (WoS = 16, GS = 20, Top 37.3 %) PDF
  26. Okada M, Takeda H, Sakaki H, Kuramoto K, Suzuki S, Sanomachi T, Togashi K, Seino S, Kitanaka C: Repositioning CEP-1347, a chemical agent originally developed for the treatment of Parkinson's disease, as an anti-cancer stem cell drug. Oncotarget. 2017;8:94872-94882 (WoS = 16, GS = 21, Top 30.4 %) PDF
  27. Takeda H, Okada M, Kuramoto K, Suzuki S, Sakaki H, Sanomachi T, Seino S, Yoshioka T, Hirano H, Arita K, Kitanaka C: Antitumor activity of gemcitabine against high-grade meningioma in vitro and in vivo. Oncotarget. 2017;8:90996-91008 (WoS = 9, GS = 12, Top 61.9 %) PDF
  28. Sanomachi T, Suzuki S, Kuramoto K, Takeda H, Sakaki H, Togashi K, Seino S, Yoshioka T, Okada M, Kitanaka C: Olanzapine, an atypical antipsychotic, inhibits survivin expression and sensitizes cancer cells to chemotherapeutic agents. Anticancer Res. 2017;37:6177-6188 (WoS = 20, GS = 24, Top 26.2 %) PDF
  29. Kuramoto K, Suzuki S, Sakaki H, Takeda H, Sanomachi T, Seino S, Narita Y, Kayama T, Kitanaka C, Okada M: Licochalcone A specifically induces cell death in glioma stem cells via mitochondrial dysfunction. FEBS Open Bio. 2017;7:835-844 (WoS = 16, GS = 20, Top 30.7 %) PDF
  30. Togashi K, Okada M, Yamamoto M, Suzuki S, Sanomachi T, Seino S, Yamashita H, Kitanaka C: A small-molecule kinase inhibitor, CEP-1347, inhibits survivin expression and sensitizes ovarian cancer stem cells to paclitaxel. Anticancer Res. 2018;38:4535-4542 (WoS = 13, GS = 14, Top 29.1 %) PDF
  31. Kuramoto K, Yamamoto M, Suzuki S, Sanomachi T, Togashi K, Seino S, Kitanaka C, Okada M: AS602801, an anti-cancer stem cell drug candidate, suppresses gap-junction communication between lung cancer stem cells and astrocytes. Anticancer Res. 2018;38:5093-5099 (WoS = 12, GS = 15, Top 32.1 %) PDF
  32. Suzuki S, Okada M, Takeda H, Kuramoto K, Sanomachi T, Togashi K, Seino S, Yamamoto M, Yoshioka T, Kitanaka C: Involvement of GLUT1-mediated glucose transport and metabolism in gefitinib resistance of non-small-cell lung cancer cells. Oncotarget. 2018;24:32667-32679 (WoS = 23, GS = 26, Top -- %) PDF
  33. Yamamoto M, Suzuki S, Togashi K, Sanomachi T, Seino S, Kitanaka C, Okada M: AS602801, an anticancer stem cell candidate drug, reduces survivin expression and sensitizes A2780 ovarian cancer stem cells to carboplatin and paclitaxel. Anticancer Res. 2018;38:6699-6706 (WoS = 8, GS = 11, Top 47.9 %) PDF
  34. Yamamoto M, Suzuki S, Togashi K, Sanomachi T, Seino S, Kitanaka C, Okada M: AS602801 sensitizes ovarian cancer stem cells to paclitaxel by down-regulating MDR1. Anticancer Res. 2019;39:609-617 (WoS = 7, GS = 9, Top 39.3%) PDF
  35. Suzuki S, Yamamoto M, Togashi K, Sanomachi T, Sugai A, Seino S, Yoshioka T, Kitanaka C, Okada M: In vitro and in vivo anti-tumor effects of brexpiprazole, a newly-developed serotonin-dopamine activity modulator with an improved safety profile. Oncotarget. 2019;10: 3547-3558 (WoS = 7, GS = 8, Top -- %)PDF
  36. Suzuki S, Yamamoto M, Sanomachi T, Togashi K, Sugai A, Seino S, Yoshioka T, Kitanaka C, Okada M: Brexpiprazole, a serotonin-dopamine activity modulator, can sensitize glioma stem cells to osimertinib, a third-generation EGFR-TKI, via survivin reduction. Cancers. 2019;11: 947 (WoS = 11, GS = 13, Top 25.9 %) PDF
  37. Sanomachi T, Suzuki S, Togashi K, Seino S, Yoshioka T, Kitanaka C, Okada M, Yamamoto M: Brexpiprazole reduces survivin and reverses EGFR tyrosine kinase inhibitor resistance in lung and pancreatic cancer. Anticancer Res. 2019;39:4817-4828 (WoS = 5, GS = 6, Top 52.6 %) PDF
  38. Sanomachi T, Suzuki S, Togashi K, Sugai A, Seino S, Okada M, Yoshioka T, Kitanaka C, Yamamoto M: Spironolactone, a classic potassium-sparing diuretic, reduces survivin expression and chemosensitizes cancer cells to non-DNA-damaging anticancer drugs. Cancers. 2019;11:1550 (WoS = 7, GS = 8, Top 39.3 %) PDF
  39. Kuramoto K, Yamamoto M, Suzuki S, Sanomachi T, Togashi K, Seino S, Kitanaka C, Okada M: Verteporfin inhibits oxidative phosphorylation and induces cell death specifically in glioma stem cells. FEBS J. 2020;287:2023-2036 (WoS = 12, GS = 15, Top 6.61 %) PDF
  40. Suzuki S, Yamamoto M, Sanomachi T, Togashi K, Sugai A, Seino S, Okada M, Yoshioka T, Kitanaka C: Doxazosin, a classic alpha 1-adrenoceptor antagonist, overcomes osimertinib resistance in cancer cells via the upregulation of autophagy as drug repurposing. Anticancer Res. 2020;40:4961-4968. (WoS = 5, GS = 6, Top 19.0 %) PDF
  41. Togashi K, Okada M, Suzuki S, Sanomachi T, Seino S, Yamamoto M, Yamashita H, Kitanaka C: Inhibition of retinoblastoma cell growth by CEP1347 through activation of the P53 pathway. Anticancer Res. 2020;40:4961-4968 (WoS = 1, GS =2, Top 73.4 %) PDF
  42. Suzuki S, Okada M, Sanomachi T, Togashi K, Seino S, Sato A, Yamamoto M, Kitanaka C: Therapeutic targeting of pancreatic cancer stem cells by dexamethasone modulation of the MKP-1-JNK axis. J Biol Chem. 2020;295:18328-18342 (WoS = 3, GS = 6, Top 60.0 %) PDF
  43. Kuramoto K, Yamamoto M, Suzuki S, Togashi K, Sanomachi T, Kitanaka C, Okada M: Inhibition of the lipid droplet-peroxisome proliferator-activated receptor αaxis suppresses cancer stem cell properties. Genes. 2021;12:99 (WoS = 5, GS = 6, Top 9.51 %) PDF
  44. Yamamoto M, Sanomachi T, Suzuki S, Uchida H, Yonezawa H, Higa N, Takajo T, Yamada Y, Sugai A, Togashi K, Seino S, Okada M, Sonoda Y, Hirano H, Yoshimoto K, Kitanaka C: Roles for hENT1 and dCK in gemcitabine sensitivity and malignancy of meningioma. Neuro Oncol. 2021;23:945-954 (WoS = 0, GS = 1, Top -- %) PDF
  45. Suzuki S, Yamamoto M, Sanomachi T, Togashi K, Seino S, Sugai A, Yoshioka T, Okada M, Kitanaka C: Lurasidone sensitizes cancer cells to osimertinib by inducing autophagy and reduction of survivin. Anticancer Res. 2021;41:4321-4331. (WoS = 0, GS = 0, Top -- %) PDF
  46. Suzuki S, Yamamoto M, Sanomachi T, Togashi K, Sugai A, Seino S, Yoshioka T, Okada M, Kitanaka C: Dexamethasone sensitizes cancer stem cells to gemcitabine and 5-fluorouracil by increasing reactive oxygen species production through NRF2 reduction. Life. 2021;11:885 (WoS = 0, GS = 0, Top -- %) PDF
  47. Okada M, Suzuki S, Togashi K, Sugai A, Yamamoto M, Kitanaka C: Targeting folate metabolism is selectively cytotoxic to glioma stem cells and effectively cooperates with differentiation therapy to eliminate tumor-initiating cells in glioma xenografts. Int J Mol Sci. 2021;22:11633 (WoS = 0, GS = 0, Top -- %)PDF
  48. Yamamoto M, Sanomachi T, Suzuki S, Togashi K, Sugai A, Seino S, Sato A, Okada M, Kitanaka C: Gemcitabine radiosensitization primes irradiated malignant meningioma cells for senolytic elimination by navitoclax. Neurooncol Adv. 2021;3:vdab148 (WoS = 0, GS = 0, Top -- %)PDF

上記研究業績に対する主だった賞等
2013年 日本脳神経外科学会会長賞
2014年 日本分子脳神経外科学会賞
2014年 日本脳神経外科学会学術奨励賞
2014年 星野賞(日本脳腫瘍学会の最高賞)
2017年 井上研究奨励賞
2020年 武田科学振興財団医学系研究助成

 

補足:着任前の講座責任者(北中千史)の主要論文(全て責任著者論文)

  1. Tomiyama A, Serizawa S, Tachibana K, Sakurada K, Samejima H, Kuchino Y, Kitanaka C. Critical role for mitochondrial oxidative phosphorylation in the activation of tumor suppressor Bax and Bak. J Natl Cancer Inst 2006;98:1462-1473 (WoS = 71, GS = 102, Top 13.5 %) PDF
  2. Nature Reviews CancerHighlight(注目の論文)に選定され、紹介記事が掲載された。朝日新聞、日本経済新聞の全国版に記事掲載。がん細胞のワールブルグ効果(酸素下でもあえて非効率的な嫌気解糖によりエネルギー産生を行う特徴的な代謝)という80年来の謎に対して、酸素呼吸にはアポトーシスプログラム(アポトーシス促進性Bcl-2ファミリー)の活性化を促進するはたらきがあり、がん細胞がエネルギー効率を犠牲にしてアポトーシス耐性を獲得していることを示すことで、一つの答えを提示した論文

  3. Kitanaka C, Kato K, Ijiri R, Sakurada K, Tomiyama A, Noguchi K, Nagashima Y, Nakagawara A, Momoi T, Toyoda Y, Kigasawa H, Nishi T, Shirouzu M, Yokoyama S, Tanaka Y, Kuchino Y. Increased ras expression and caspase-independent neuroblastoma cell death: possible mechanism of spontaneous neuroblastoma regression. J Natl Cancer Inst 2002;94:358-368 (WoS = 84, GS = 140, Top 17.2 %) PDF
  4. Nature Reviews CancerHighlight(注目の論文)に選定され、紹介記事が掲載された。朝日新聞全国版に記事掲載。生体内におけるnon-apoptoticプログラム細胞死の存在とがん排除機構としての役割を世界に先駆けて実証したランドマーク論文。日本癌学会奨励賞受賞論文

  5. Chi S, Kitanaka C, Noguchi K, Mochizuki T, Nagashima Y, Shirouzu M, Fujita H, Yoshida M, Chen W, Asai A, Himeno M, Yokoyama S, Kuchino Y.Oncogene.Oncogenic Ras triggers cell suicide through the activation of a caspase-independent cell death program in human cancer cells. Oncogene. 1999;18:2281-2290 (WoS = 196, GS = 282, Top 3.71 %) PDF
  6. Kitanaka C, Kuchino Y.Caspase-independent programmed cell death with necrotic morphology. Cell Death Differ 1999;6:508-515 (WoS = 321, GS = 500, Top 9.21 %) PDF
  7. 論文C), D)は世界で初めて「アポトーシスでない」プログラム細胞死の存在とそのがん排除機構としての役割を提唱したマイルストーン論文

  8. Mochizuki T, Kitanaka C, Noguchi K, Muramatsu T, Asai A, Kuchino Y.Physical and functional interactions between Pim-1 kinase and Cdc25A phosphatase. Implications for the Pim-1-mediated activation of the c-Myc signaling pathway. J Biol Chem 1999;274:18659-18666 (WoS = 194, GS = 292, Top 6.16 %) PDF
  9. c-MycPim-1による協調的発がんの機序について当時はPim-1Bcl-2と同様にc-Mycのアポトーシスを抑制することで協調していると広く信じられていたが、自身の先行研究においてPim-1c-Mycのアポトーシスをむしろ促進することを示し、Pim-1c-Mycの持つ細胞周期促進能とアポトーシス誘導能のうち後者を選択的に抑制しているのではなく両者すなわちc-Mycの機能そのものを増強することで協調しているとの仮説を提唱していた。本論文では転写因子c-Mycの代表的標的遺伝子産物であり細胞周期促進とアポトーシス誘導の両者に関与するCdc25APim-1キナーゼのリン酸化基質であり、リン酸化によりCdc25Aの機能が増強されることを示すことで上記仮説を実証し、c-MycPim-1の協調的発がん機序に関する当時の常識を覆した

  10. Kitanaka C, Tanaka J, Kuwahara M, Teraoka A, Sasaki T, Takakura K: Nonsurgical treatment of unruptured intracranial vertebral artery dissection with serial follow-up angiography. J Neurosurg 1994;80:667-674 (WoS = 108, GS = 147, Top 4.88 %) PDF
  11. Kitanaka C, Sasaki T, Eguchi T, Teraoka A, Nakane M, Hoya K: Intracranial vertebral artery dissections: clinical, radiological features, and surgical considerations. Neurosurgery 1994;34:620-626 (WoS = 93, GS = 149, Top 6.51 %) PDF
  12. Kitanaka C, Tanaka J, Kuwahara M, Teraoka A: Magnetic resonance imaging study of intracranial vertebrobasilar artery dissections. Stroke 1994;25:571-575. (WoS = 106, GS = 157, Top 11.3 %) PDF
  13. Kitanaka C, Morimoto T, Sasaki T, Takakura K: Rebleeding from vertebral artery dissection after proximal clipping. J Neurosurg 1992;77:466-468 (WoS = 70, GS = 97, Top 9.07 %) PDF

論文F- H)は基礎研究開始前の臨床研究論文で、現在の椎骨脳底動脈系解離性動脈瘤の基本的治療方針を形成したランドマーク論文。特に論文F) は太田富男「脳神経外科」、YoumansNeurosurgery」等国内外の代表的脳神経外科教科書で引用されており、しかも単なる引用ではなく、本文中で論文内容に関する具体的な言及がなされている点からもその重要性を窺い知ることができる

(以上の文責:山形大学医学部 腫瘍分子医科学講座 北中 千史)

 

 

 

 

 

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