我が国では,心筋梗塞と脳梗塞など血栓症による死亡率が癌のそれを凌ぐ状 態が続いており,超高齢化社会を迎えた21世紀でも当分の間更に増加すると予想される。そこで我々は,動脈硬化,血栓症や出血性素因の遺伝子・蛋白質分子のレベルでの解析及びノックアウト・トランスジェニック動物を用いた個体レベルの機能解析を教室の主なテーマに据えている。また,他の臨床,基礎の教室からの問題提起を受けて,新たな課題についても共同研究している。
(1) 動脈硬化と血栓症の発生に関与しているリポプロテン(a) に含まれる高分子アポプロテイン(a) に関する研究
(2) 癌に関与するプラスミノゲン・アポリポプロテイン(a) 遺伝子ファミリーに関する研究
(3) SNPs に基づく凝固線溶因子の分子異常症の遺伝子変異の解析
(4) 止血と創傷治癒,動脈硬化に働く凝固第]V因子に関する研究
(5) ]V因子欠損症の遺伝子治療
(6) 最後に残された機能不明のビタミンK依存性血漿蛋白質プロテインZとビタミンK代謝酵素に関する研究
・分子病態学講座のサイトへ