稼ぎに追ひつく貧乏なくて
   木下恵介監督作品映画で「二十四の瞳(原作:壷井栄)」という名画があります。約80年 前の風光明媚な小豆島を舞台に、大石久子先生(高峰秀子)が12人の男女学童の成長を見 守る物語です。その映画の冒頭で小学生が文部省唱歌である「村の鍛冶屋」を歌いながら 、行進しているシーンがあります。「稼ぎにおひつく貧乏なくて・・」。文部省唱歌であ る「「仰げば尊し」が歌われ、教師に感謝を奉げているシーンがあります。

 私たち生理学講座は研究と教育を通じて社会に奉仕することをめざしています。そのなか で、研究における私たちの日ごろの努力は論文として世に発表して真価を問うことで結実 する、と信じています。私たち生理学講座スタッフも「村の鍛冶屋」の歌詞にあるように 、「鐵より硬しと誇れる腕に勝りて堅きは彼が心」でありたいと願っております。研究に おいての生理学実験技術および実験結果をもとにした考察方法など、生理学における「学 問」は一朝一夕に得られるものではなく、偏に生理学講座の先人たちの努力の賜物と感謝 いたします。この場をお借りしまして、私たちの学問の師である西山明徳教授および加藤 宏司教授に深甚なる感謝を申し上げる次第です。

稼ぎにおひつく貧乏なし、研究も同じです。
村の鍛冶屋
文部省唱歌 作詞・作曲者 不詳

一、
暫時(しばし)も止まずに槌打つ響
飛び散る日の花 はしる湯玉
鞴(鞴)の風さへ息をもつかず
仕事に精出す村の鍛冶屋

二、
あるじは名高き一刻親爺(いっこくおやじ)
早起き早寝の病(やまひ)知らず
鐡より硬しと誇れる腕に勝りて堅しは彼が心

三、
刀はうたねど大鎌小鎌
馬鍬に作鍬(さくぐは) 鋤よ鉈よ
平和の打ち物休まずうちて
 
仰げば尊し
文部省唱歌 作詞・作曲者 不詳

一、
仰げば尊し 我が師の恩
教えの庭にも はや幾年(いくとせ)
思えばいととし この年月(としつき)
今こそわかれめ いざさらば

二、
互いにむつみし 日ごろの恩
わかるるのちにも やよわするな
身をたて名をあげ やよ励めよ
今こそわかれめ いざさらば

三、
朝夕慣れにし 学びの窓
蛍のともしび 積む白雪
忘るる間ぞなき 行く年月
今こそわかれめ いざさらば
日毎に戰ふ 懶惰(らんだ)の敵と

四、
稼ぐにおひつく貧乏なくて
名物鍛冶屋は日日に繁昌
あたりに類なき仕事のほまれ
槌うつ響にまして高し
 教室からの眺め  
平成25年11月20日
藤井 聡

過去の教授挨拶

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