無知は罪である
  「無知は罪である」というソクラテスの言葉がある。無知な人間が引き起こす罪としては、 無知を取り繕う無責任な発言を行い、その結果が悪いと隠蔽しようとして嘘を重ね、さらに 悪い結果を導き出すことである。そのような人間の集合体では、組織自体が隠蔽体質を醸成し 、確実にその組織の生産性を低下させ、時に、死ぬべきでない人間までも殺す。最近発生した「 いじめ自殺」は、このような人間たちで構成される組織が起こした必然の事態であったと思われる。
 医学において無知は致命的である。知識不足のまま医師になると、罪のない患者を死なす。 知らない病名の診断は不可能だ。知らない病気の治療はできない。自分の無知を隠蔽しようとし、 自責の念のないままに「あらゆる手を尽くしましたが残念でした」と言って恥じない。
 「子供には好きなことだけやらせればいい」などと主張する親馬鹿が腐るほどいるようだが、最低 限の知識すら持たない無知な人間を大量生産するのは、もはや犯罪と同じである。人に迷惑を掛けな いための、最低限の知識を身につけるのは学生1人1人の義務だというコンセンサスが社会にもっとあ っていいし、大学教育はそのためにある。
 学生諸君、生理学の前期試験は夏休み明けである。よく勉強してほしい。私たち教員は君たちに期待している。
平成24年7月13日
藤井 聰


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