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010524:遺伝子組み換えジャガイモ、菓子「オー・ザック」から検出 

 ハウス食品(本社・大阪府東大阪市)が製造販売したポテトスナック菓子「オー・ザック」から、食品として認可されていない遺伝子組み換えジャガイモが検出されたとして、厚生労働省は24日、自主回収を指示した。同社は社告などを通じて購入客に返品を呼びかける。対象はオー・ザックの全商品で、出荷前の製品などだけで約120万袋(約4億円)にのぼる。遺伝子組み換え食品は4月から安全性審査が義務付けられ、違反が判明したのは初めて。同省は検疫所に食品、食品原料の輸入時の検査強化を指示した。
 検出されたのは「ニューリーフプラス・ポテト」と呼ばれる組み換えジャガイモで、2種類の遺伝子を挿入し、害虫とウイルスによる病気への抵抗力を強めた。米国、カナダでは食品として認可されているが、国内では安全性を審査中で認可されていない。
 国立医薬品食品衛生研究所で、ジャガイモを原料とする食品を検査し、菓子や冷凍食品など25検体中、オー・ザックの「炭焼きしょうゆ味」2検体と「あっさり塩味」1検体からニューリーフプラス・ポテトを検出した。
 問題の製品は、同社が米国3社、カナダ1社の計4社から約2800トンの粉状の99年産の原料を輸入し、同社関東工場(栃木県)、福岡工場(福岡県)で製造した。
 同省によると、同社は原料の輸出元から遺伝子組み替え品ではないという念書を取っていたが、検査結果などのデータは輸出元に要求していなかったという。監視安全課は「直ちに健康被害が起きる可能性は低い」と話している。ほかにも未審査の遺伝子組み換え食品が流通している可能性もあるとみて調べている。【長尾真輔】

毎日新聞、2001年5月24日