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研究プロジェクト

地域医療崩壊、医師不足などの問題が、ようやく社会問題として広く受け止められるようになりました。山形県では、全国でも先進的と言える山形大学蔵王協議会・医師適正配置委員会などの活動を通じて、大学医学部、関連病院等医療機関、行政機関が一体となって、こうした問題に取り組み、独自の「循環型システム」を構築するとともに、医療資源の適正配置を着実に進めています。

この医療資源の適正配置を進めるためには、地域医療を担う医療施設のマンパワー、医療機器等の医療資源および患者・疾患分布等の現状を的確かつ客観的に把握することが不可欠です。本講座では、国内外の政策学的研究はもとより、以上のデータの集積と分析について継続的に取り組んでおり、その結果は上記の協議会などを通じて、県の地域医療体制にも反映されています。

2009年度後半からは、中医協に参加し、医療行政、診療報酬改定に関する調査研究も始動させました。

現在行っている調査

DPCデータ等を活用した山形県内急性期医療に関する現状調査

単一病院完結型の医療から、地域医療連携の推進などネットワーク型医療の構築がうたわれ、山形県でも、県内の医療提供体制の全体像の把握が求められている。

そこで、本研究では、山形県内の全DPC病院(DPC=診断群分類に基づく定額支払い方式を採用している病院)について、DPCデータ(診療録情報、診療明細情報、行為明細情報)を各病院から提供してもらい、それらを分析(必要に応じてその他のデータも補完的に活用)する。

このデータによって、各地域の急性期医療におけるDPC病院ごとの診療実態・治療実績等の分析が可能になり、急性期病院間の機能分担のあり方ならびに医療の質や診療パフォーマンスの比較、さらには急性期医療に求められる地域の医療資源必要量について解析を行い、冒頭のネットワーク構築の方向性と課題を明らかにする。

病院・介護施設からの在宅復帰の阻害要因に関する社会学的研究(2011~2014年度)

科学技術研究費補助金(若手B・課題番号23730465、研究代表者・伊藤嘉高)による。

過去に行われた調査とその結果

山形県地域医療における医師過重労働を加味した診療科別必要医師数の将来推計(2010~12年)

山形県の一般病院勤務医を対象に、その勤務状況を把握し、当講座で実施した調査も含む既存の調査データ(患者調査、三師調査)の分析と組み合わせることで、患者動向、医師の過重労働を加味した、診療科別の不足医師数を求めた。

山形県内病院勤務医の勤務実態調査

慢性期医療に係わる病院訪問調査(2010~12年)

近年、急性期から回復期、慢性期を経て在宅療養へと至る地域の医療連携体制の構築が推進されているが、円滑な連携を実現するうえで、急性期の医療機関と在宅もしくは介護保険施設等との橋渡し的役割を担う慢性期の医療機関には重要な機能が期待される。他方で、いわゆる「社会的入院」を是正する観点から、療養病床の診療報酬の引き下げや病床再編計画が進められるなど、慢性期医療のあり方が政策的に大きく見直されている過程にあり、現場には不安や混乱も見られる。今後、高齢者医療と介護の協働する地域ケア体制を整備していくためには、慢性期医療の現場が抱える課題を踏まえた処方箋を描いていくことが求められる。こうしたなか、24年度には6年振りに診療報酬と介護報酬の同時改定が行われることになっている。

そこで、本研究では、次期診療報酬・介護報酬同時改定を見据え、慢性期医療の現状と課題について、医療と介護・福祉の境界を超えて包括的に把握することを行った。

がん患者の就労状況・社会復帰に関する調査(2011~12年)

山形大学蔵王協議会主催。山形県内がん診療連携拠点病院で受診・受療中のがん患者の方を対象として実施。がん医療の充実とそのために必要な社会的基盤の整備を目的として、山形県内のがん患者・体験者の方々の就労状況と社会復帰の実態を把握した。

2012年5月25日、本調査の結果概要について記者会見を行いました。詳細な結果については、改めて論文等でご報告させて頂くことになっております。

自治体病院再編が地域生活に及ぼす影響に関する社会学的研究(2009~2010年度)

科学技術研究費補助金(若手スタ・課題番号21830020、研究代表者・伊藤嘉高)による。

山形県内一般病院対面調査(2009年)

2009年1月より、下記調査と連動するかたちで、県内全一般病院の病院長先生を対象とした訪問対面調査を実施。県内の地域医療や医療資源の配置に関する各病院長のご意見、ご要望を把握した。

2010年3月、下記「山形県内医療施設における患者動向及び医療従事者等に係る現状調査」(2008年度)とあわせて、「山形県内医療施設における患者動向及び医療従事者等に係る現状調査報告(平成20/21年実施)」にとりまとめた。

「山形県内医療施設における患者動向及び医療従事者等に係る現状調査」(2008年度)

2008年12月より、山形県健康福祉部、山形大学蔵王協議会(会長・嘉山孝正)主催で、県内全病院を対象に「山形県内医療施設における患者動向及び医療従事者等に係る現状調査(2008年)」を実施。

清水博・前教授が4年前に行った調査と同様の主旨で、本県の地域医療水準を確保し、継続的・安定的な医療提供体制を構築する方策を検討するための基礎データを収集、分析。詳細や報告書についてはリンク先をご参照ください。