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山形大学大学院医学系研究科先進的医科学専攻 重粒子線医学講座

  • 023-628-5401

研究内容

研究内容

重粒子線治療高精度化に関する研究

リアルタイム線量モニタリング手法の開発

重粒子線治療は線量集中性が極めて優れているという利点を持っていますが、現状ではこの特長をフルに活用できているとは言えません。重粒子線ビームによる線量分布を照射中にリアルタイムで可視化することで、この課題を克服できると考えています。そのための手法として、電子追跡コンプトンカメラを用いた即発γ線イメージングや、シンチレーションファイバー検出器を用いた二次粒子トラッキング手法の研究を実施しています。

  • 電気飛跡型コンプトンカメラ

MRI誘導重粒子線治療のFeasibility Study

X線治療においては、MRIで臓器をリアルタイムでモニターしながら照射するという手法がここ数年で現実化してきています。この技術を重粒子線治療に拡大するための基礎研究を実施しています。

4次元CTから作成した肺機能画像に基づく次世代粒子線治療の開発

死亡数が近年増加傾向である肺癌に対し、非侵襲的な放射線治療の需要が高まっております。しかし、腫瘍だけではなく正常肺組織にも放射線が照射されることによる放射線誘発性肺障害の発生が懸念されており、これを軽減させる対策が求められております。本研究では、放射線治療計画時に撮影される4次元CTを用いて肺機能画像を作成し、それに基づき肺障害との関連が高い領域を避けることで肺障害軽減を目的とした放射線治療計画法の開発をしております。腫瘍の根治と肺障害軽減の両方の達成を目標としたこの計画法を、X線治療だけではなく粒子線治療にも応用し、次世代の粒子線治療としてその有用性を検討しております。

東北広域放射線治療データベースを用いた放射線治療ビッグデータの解析に関する研究

山形大学医学部では、2013年より東北広域放射線治療データベースを整備しており、登録件数は既に2万件を超えています。このデータベースには、X線だけでなく陽子線治療のデータも含まれていますし、山形大学医学部で開始される重粒子線治療のデータも今後追加していくことになります。このビッグデータを用いて、それぞれの治療の有効性や有害事象発生に関するメタアナリシスを実施し、将来的な重粒子線治療の保険適用拡大・治療患者増へと繋げていきたいと考えています。

子宮頸癌放射線治療のための新たな強度変調腔内照射用のアプリケータの開発

子宮頸癌の放射線治療においては体内に放射線源を一定時間留置し放射線の投与を行う小線源治療の果たす役割が非常に大きいです。子宮頸癌の小線源治療は大きく腔内照射と組織内照射の2つに分けられます。腔内照射は子宮腔内の空間に線源留置のための専用のアプリケータを挿入して照射を行うため、線源を留置できる場所に制限があり、また、線量分布も円形にしか作成できず不正形な腫瘍全体に十分な線量を投与できない場合があります。対して組織内照射は腫瘍周辺の任意の部位に線源留置用の刺入針を刺入するため様々な形状の腫瘍に対応可能です。ただし、刺入に伴う出血があることで腔内照射に比べ患者さんの負担が大きいです。そこで我々は患者さんの負担の少ない腔内照射においても円形以外の様々な形状の線量分布、つまり強度を様々に変調した線量分布を作成可能な腔内照射専用の新たなアプリケータの開発のための研究を行っております。