平成15年度「21世紀COEプログラム」採択課題
拠点のプログラム名称
「地域特性を生かした分子疫学研究」 (概要)
山形大学医学部

ヒトゲノム計画によりヒトゲノム*1の全塩基配列がほぼ明らかになった。ポストゲノム時代に突入した現在の最重要課題のひとつは、ゲノム研究の成果を臨床・医療へ橋渡しする研究(トランスレーショナル・リサーチ)である。本プログラムの目標は、当医学部が1979年より24年間に亘り継続的に実施してきた地域住民コホート研究*2をさらに発展させ、遺伝子多型(遺伝子の塩基配列の個人差*3)の医学的意義を解明するための世界的な研究・教育拠点を形成することである。これにより、(1)ゲノム情報に基づく有効で安全な医薬品の開発(ゲノム創薬)や(2)個人個人の体質に最適な医療(オーダーメイド医療)確立の基盤が構築できる。
本拠点の特徴は、(1)対象住民の遺伝的多様性がきわめて小さいこと、(2)追跡調査を完璧に実施可能なこと、(3)臨床データの精度がきわめて高いこと、(4)コホート集団の規模が大きいこと、(5)遺伝子解析の同意率が高いこと(80%以上)等である。 このように世界に類を見ない地域特性(分子疫学研究に最も理想的な地域)を生かして、既に「糖尿病の発症に寄与する遺伝子」(特許申請中)や「C型肝炎ウイルスの排除に関与する遺伝子」(特許申請準備中)の遺伝子多型を発見している。
これらの研究成果を基盤にして、さらに生活習慣病(高脂血症、高血圧、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病性網膜症・腎症)、パーキンソン病、肝疾患、および消化器がん等について「精度の高い臨床データベース」と「ゲノムの全領域に亘る遺伝子多型データベース」を構築するとともに、国内外の優れた研究機関との研究交流の推進により、優れた分子疫学研究者を養成する。

*1: ヒトがもつ全ての遺伝子を一括してヒトゲノムという。
*2: 疫学的研究手法の1つで、前向き研究・追跡研究とも呼ばれる。たとえば、ある集団の構成員を高血圧群、正常血圧群、低血圧群に分け、10年間追跡調査を行い、各群からどのくらいの頻度で脳卒中や心筋梗塞が発症するかを調査する研究はコホート研究である。
*3: 個人間で遺伝子の塩基配列は約0.1%異なり、これにより個体差が生ずる。
(参照:ヒトとチンパンジーでは約1%異なる)。

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