放射線治療は手術、化学療法と並んで癌治療の三本柱といわれます。このなかで化学療法は血液、リンパ系の腫瘍以外の腫瘍で完全に治すことは困難で、治すための治療、いわゆる癌の根治的な治療としては手術と並ぶ位置づけにあります。最近では各種照射技術の進歩に伴ってがんに絞って放射線を集中的に照射することが可能になってきています。その結果、がんにはより効果が強く、体にはやさしい治療が実現可能となっています。放射線治療では臓器を残して治療が可能であるという特徴があり、癌をまわりの臓器ごと取り除いてしまう手術と比べると、がんが治癒した後の生活の質が大変優れています。
このように体に優しく、治療効果の強い放射線治療の患者数は急速に増えており、2007年には全国で約22万人の癌患者が放射線治療を受けています(がん患者さんの四人に一人程になります)。近い将来欧米並みにがん患者さんの半分程度が放射線治療を受けるようになると考えられています。これに対して、放射線治療に精通した医師はまったく足りないのが現状で、必ずしも放射線治療の専門医によって放射線治療が行われているわけではありません。
まず、放射線腫瘍医の育成に努めなくてはいけません。人材なくして、地域全体のがん医療のレベルアップは不可能です。充実した研修プログラムを用意し、実りある放射線腫瘍医としてのキャリアを重ねられるような魅力的なキャリアパスを若い先生方に提供していくことが人材の育成の第一歩と考えます。また、最近の放射線治療では最先端の大型医療機器を自在に使いこなす必要があり、検証しながら医療を行うという研究的精神が重要です。山形大学から独創的な研究成果を世界に発信することを目指しています。
最後に、放射線治療はチーム医療です。放射線腫瘍医、診療放射線技師(品質管理士・医学物理士)、看護師がチームで医療を行いますが、専門のコメディカルの養成も私どもの責務と考えており、地域で教育・指導ができる人材の養成にも努めていきます。
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