当講座の研究に関する倫理審査申請書

●倫理審査申請書(No.1)
研究責任者   山川光徳
主任研究者   宇都宮文
研究課題名   肝細胞癌、肝内・肝門部胆管癌の癌幹細胞と樹状細胞およびマクロファージの細胞間接触の意義
通知番号    H29-302
通知年月日   平成29年10月18日

①本研究の目的,対象,方法
【研究目的】
癌幹細胞は自己複製能を有する細胞亜群で、化学療法や放射線治療に抵抗性を示す。肝細胞癌や肝内・肝門部胆管癌を含む多くの固形癌で癌幹細胞が同定されつつある(Yamashita T,et al;Discrete nature of EpCAM⁺and CD90⁺ cancer stem cells in human hepatocellular carcinoma.Hepatology 57:1484-1497,2013)。これらの細胞は、CD133、EpCAM、CD90やaldehyde dehydrogenaseなどの特異的なマーカーを発現する。
一方、種々の癌組織には癌免疫を誘導しうる樹状細胞が存在し、癌関連抗原をリンパ球に提示する。肝Kupffer細胞や外来性の肝外マクロファージ(M1,M2の亜型に分類される)も癌免疫を促進あるいは抑制する。
しかし、肝細胞癌や肝内・肝門部胆管癌における、癌幹細胞と樹状細胞やマクロファージとの細胞間接触の頻度、機序や意義は不明である。
本研究では、肝細胞癌や肝内・肝門部胆管癌の癌幹細胞と樹状細胞やマクロファージの局在や細胞間接触の意義を、解析することを目的とする。

【研究の対象】
2003年から2016年に、山形大学医学部附属病院及び米沢市立病院で手術された肝細胞癌と肝内・肝門部胆管癌の症例、および2015年から2017年に山形大学医学部附属病院で病理解剖された、肝臓に腫瘍のない症例。

【研究方法】
肝細胞癌や肝内・肝門部胆管癌の組織を用いて、ホルマリン固定・パラフィン切片で、癌幹細胞マーカーと樹状細胞・マクロファージマーカー、あるいはそれらの接着因子に対する抗体を使用し、免疫染色で局在と意義を明らかにする。
肝細胞癌と肝門部・肝内胆管癌における癌幹細胞上の腫瘍関連マーカーを、樹状細胞やマクロファージが認識可能かどうか調べ、認識可能であるとすると、抗腫瘍免疫を介して全ての癌細胞を排除することが可能となる。肝細胞癌と肝門部・肝内胆管癌で、癌幹細胞癌と樹状細胞・マクロファージが接触可能な癌とそうでない癌の形態的な違いを比較する。

②研究機関名 病理診断学講座

③保有する個人情報に関して問い合わせ,苦情等に関して
*研究対象者が識別される試料や情報の利用に関して、研究対象者またはその代理人により拒否の申し出があった場合は、直ちに研究対象から除外いたします。ただし、試料や情報に関して匿名化がなされた後は個人を特定できないため、研究対象から除外できない場合があります。

連絡先:
  病理診断学講座 〒990-9585 山形県山形市飯田西2-2-2
  Phone 023-628-5238
  Fax 023-628-5240



●倫理審査申請書(No.2)
研究責任者   山川光徳
主任研究者   樺澤崇允
研究課題名   甲状腺乳頭癌のリンパ管侵襲と腫瘍関連マクロファージの関連性について
通知番号    H29-303
通知年月日   平成29年10月18日

①本研究の目的,対象,方法
【研究目的】
甲状腺乳頭癌と濾胞癌はいずれも甲状腺濾胞上皮細胞由来の悪性腫瘍でありながら、その主たる転移様式はそれぞれリンパ行性と血行性転移で対照的であり、その転移様式の相違の理由は解明されていない。
また、甲状腺癌でも腫瘍関連マクロファージ(TAM)の腫瘍免疫への寄与が報告されているが、TAMと甲状腺癌のリンパ管侵襲の関係性に関する先行論文は2編のみである(Thyroid. 23, 2013; 720-6, Carcinogenesis. 35, 2014; 1780-7)。
今回我々は、甲状腺乳頭癌がリンパ管侵襲を高頻度に来すのがTAMに起因しているという仮説を立て、乳頭癌と濾胞癌を比較することによって、その組織学的な証明を試みる。

【研究対象】
2000年から2017年に、山形大学医学部附属病院で手術された甲状腺乳頭癌、甲状腺濾胞癌の症例。

【研究方法】
・過去に外科的手術で摘出されたヒト甲状腺乳頭癌と濾胞癌のホルマリン固定パラフィン包埋切片を使用する。
・マクロファージマーカー(CD68, iNOS, CD163, CD206, Ho-1)とリンパ管内皮マーカー(D2-40)により免疫組織化学を施行する。マクロファージマーカーにより、切片内のマクロファージをM1 (CD68+iNOS+), M2 (CD163+/CD206+), Mox (Ho-1+)に亜分類し、その局在とリンパ管(D2-40+)との位置関係を検討する。
・リンパ管侵襲病変でも同様のマクロファージマーカーの発現の検討を行う。

②研究機関名 病理診断学講座

③保有する個人情報に関して問い合わせ,苦情等に関して
*研究対象者が識別される試料や情報の利用に関して、研究対象者またはその代理人により拒否の申し出があった場合は、直ちに研究対象から除外いたします。ただし、試料や情報に関して匿名化がなされた後は個人を特定できないため、研究対象から除外できない場合があります。

連絡先:
  病理診断学講座 〒990-9585 山形県山形市飯田西2-2-2
  Phone 023-628-5238
  Fax 023-628-5240



●倫理審査申請書(No.3)
研究責任者   山川光徳
主任研究者   大江倫太郎
研究課題名   骨巨細胞腫(giant cell tumor)におけるマクロファージ亜型マーカー発現の検討
通知番号    H27-379, H29-331
通知年月日   平成28年3月17日, 平成29年11月1日

①本研究の目的,対象,方法
【研究目的】
骨巨細胞腫 giant cell tumor (GCT)は、組織学的に卵円形から丸みを帯びた短紡錘形の単核細胞と破骨細胞型多核巨細胞からなるaggressiveな腫瘍である。GCTの細胞起源は明確となっていないが、単球およびマクロファージ由来という説がある。近年、マクロファージはM0, M1, M2 (2a, 2b, 2c), M4, Moxに別けられるようになってきたが、GCTの構成細胞がいずれの形質と類似しているか、詳細に検討した論文はない。 GCT構成細胞における複数のマクロファージ亜型マーカーの発現を観察し、これらの細胞がどのような免疫形質を有しているかを検討する。

【研究対象】
過去に診断された骨巨細胞腫(GCT of bone)13例、腱鞘巨細胞腫(tenosynovial GCT, localized type; tGCT)10例を用いる。新規症例で適切なものがあれば、追加する。

【研究方法】
データ解析は、主に臨床所見とパラフィン包埋組織から得られた病理組織学的所見を用いる。生検日および手術日以前の説明の際に、術者より患者本人へ「検体使用に関する承諾書」で、説明、同意を得ている。これをもって生検および手術検体の研究使用に対する同意とする。

②研究機関名 病理診断学講座

③保有する個人情報に関して問い合わせ,苦情等に関して
*研究対象者が識別される試料や情報の利用に関して、研究対象者またはその代理人により拒否の申し出があった場合は、直ちに研究対象から除外いたします。ただし、試料や情報に関して匿名化がなされた後は個人を特定できないため、研究対象から除外できない場合があります。

連絡先:
  病理診断学講座 〒990-9585 山形県山形市飯田西2-2-2
  Phone 023-628-5238
  Fax 023-628-5240



●倫理審査申請書(No.4)
研究責任者   山川光徳
主任研究者   大江倫太郎
研究課題名   濾胞樹状細胞のERα発現を介した濾胞性リンパ腫の新規治療法確立を目指して
通知番号    H29-343
通知年月日   平成29年11月8日

①本研究の目的,対象,方法
【研究目的】
濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma; FL)は臨床経過が緩慢であるが、難治性の疾患である。難治性である要因には、リンパ腫細胞自身と周囲を取り巻く微小環境の2つがある。微小環境の改善を目的とした治療方法は、近年急速に普及しつつあり、例としてPD-1モノクローナル抗体による免疫チェックポイント阻害薬が挙げられる。一部のリンパ腫(ホジキンリンパ腫)では既に臨床応用されている。そこで、FLの微小環境の軸となっている濾胞樹状細胞(lymphoma associated-follicular dendritic cell; LA-FDC)を治療の標的とする方法を見出したいと考えた。LA-FDCに特異的なマーカーは同定されていないが、現時点でエストロゲン受容体(estrogen receptor; ER)αが鍵となる実験結果を得ている。FLを抗エストロゲンであるタモキシフェンやフルベストラントの乳癌以外の使用例とし、FL治癒の新たな足がかりとする。

【研究対象】
山形大学医学部附属病院とその関連施設で診断したFL 49例のパラフィン包埋組織を用いる。新規の症例もその都度追加し、目標は50〜60例程度とする。哈尔滨医科大学との共同研究となっているので、そちらの標本も未染標本で使用する。

【研究方法】
(1)どのようなFLに、ERがどの程度発現しているのかを明らかにする。
(ア) どのようなFLとは:形態学的分類方法に、胚中心芽細胞(腫瘍内の大型細胞)の数によるGradingがある。細胞増殖能を反映するKi-67標識率はFL, grade 1〜2で低く、診断にも応用されている。
(イ) ERがどの程度発現:パラフィン包埋組織の免疫染色でタンパク質が、in situ PCRでmRNAが腫瘍組織のどの細胞に発現しているかを同定する。さらにqRT-PCRを行い、通常の二次リンパ組織と比較して、どの程度発現量が増えているかを比較する。腫瘍細胞の数によるバイアスを減らすために、腫瘍濾胞の細胞数、面積により標準化を図る。
(ウ) どのようなERが発現:一般的なERαのマーカーに加えて、リン酸化されたERα(Ser-118上のリン酸化が多く、エストロゲン非依存性にシグナル伝達が起こる)も観察する。
(エ) ERがどの細胞に発現:現段階で、胚中心内のCD23+FDCにERが発現している結果を自験例で得ているため、ER-CD23の二重染色を行い、ER+CD23+FDCがFL腫瘍濾胞内に発現していることを証明する。

②研究機関名 病理診断学講座

③保有する個人情報に関して問い合わせ,苦情等に関して
*研究対象者が識別される試料や情報の利用に関して、研究対象者またはその代理人により拒否の申し出があった場合は、直ちに研究対象から除外いたします。ただし、試料や情報に関して匿名化がなされた後は個人を特定できないため、研究対象から除外できない場合があります。

連絡先:
  病理診断学講座 〒990-9585 山形県山形市飯田西2-2-2
  Phone 023-628-5238
  Fax 023-628-5240



●倫理審査申請書(No.5)
研究責任者   山川光徳
主任研究者   大江倫太郎
研究課題名   乳腺組織におけるDEC205 (CD205)の有用性
通知番号    2018-249
通知年月日   平成30年10月5日

①本研究の目的,対象,方法
【研究目的】
DEC205(CD205)は樹状細胞(dendritic cell; DC)の細胞表面に存在する抗原取り込みレセプターで、ヒトではDC、胸腺上皮細胞および成熟B細胞に発現している。また、乳腺腫瘍における二相性の判定には、p63, CD10, α-SMA等の筋上皮細胞(myoepithelial cell; MEC)マーカーが用いられる。本研究では、DEC205が筋上皮細胞マーカーとして使用し得るかどうかについて検討する。

【研究対象】
山形大学医学部附属病院とその関連施設で診断した乳腺組織128例のパラフィン包埋組織を用いる。

【研究方法】
乳頭腺管癌(papillotubular carcinoma)、充実腺管癌(solid-tubular carcinoma)、硬癌(scirrhous carcinoma)および浸潤性小葉癌(invasive lobular carcinoma)の各20例および非浸潤性乳管癌(ductal carcinoma in situ; DCIS)43例において、筋上皮細胞(myoepithelial cell; MEC)マーカーのp63とCD10、DEC205の発現を免疫組織化学的に検討する。乳腺症と線維腺腫の病巣から5 mm以上離れた導管(duct)およびterminal duct-lobular unit (TDLU)をコントロールとする(128例, 2003-2013, 11年間)。
1.非腫瘍性乳腺組織におけるDEC205とMECマーカーの共発現の検討
2.乳腺悪性腫瘍におけるDEC205とMECマーカーの発現の検討
3.DCISにおけるp63/CD10-DEC205の共発現の検討
4.腫瘍胞巣内のDEC205+樹状細胞の有無の検討

②研究機関名 病理診断学講座

③保有する個人情報に関して問い合わせ,苦情等に関して
*研究対象者が識別される試料や情報の利用に関して、研究対象者またはその代理人により拒否の申し出があった場合は、直ちに研究対象から除外いたします。ただし、試料や情報に関して匿名化がなされた後は個人を特定できないため、研究対象から除外できない場合があります。

連絡先:
  病理診断学講座 〒990-9585 山形県山形市飯田西2-2-2
  Phone 023-628-5238
  Fax 023-628-5240



●倫理審査申請書(No.6)
研究責任者   山川光徳
主任研究者   大江倫太郎
研究課題名   関節リウマチに合併した胸腺過形成例の組織学的検討
通知番号    2018-253
通知年月日   平成30年10月10日

①本研究の目的,対象,方法
【研究目的】
正常胸腺組織では、Hassall’s corpuscle; HCにIgG, A, M, secretory component, albumin, peptidylarginine deiminaseなどが存在する。また、関節リウマチ(Rheumatoid arthritis; RA)では、自己抗体であるimmunoglobulinとfilaggrinが存在する。RAに合併する胸腺異常として、リンパ濾胞性胸腺過形成 (Lymphofollicular thymic hyperplasia; LTH)があるが、これまで組織学的に検討した報告はない。本研究では、RAに合併したLTHの2例について、重症筋無力症 (Myasthenia gravis; MG) と比較検討し、RAに合併したLTHの免疫反応を明らかにする。

【研究対象】
山形大学医学部附属病院でLTHと診断されたRA 2例、MG 4例、胎児・新生児の胸腺 (対照群) 5例を用いる。共同研究施設(神戸市立医療センター中央市民病院、呉医療センター・中国がんセンター)でLTHと診断されたRA 2例のパラフィン包埋組織を用いる。(計13例)

【研究方法】
(1) HE染色標本における検討では、下記の項目をRA例とMG例で比較検討する。
i.リンパ濾胞(Lymphoid follicule; LF)の数
ii. LFの最大径結節/胸腺組織の最大径

(2) 免疫染色では、myoid cell/線維芽細胞様細網細胞(fibroblastic reticular cell; FRC)、濾胞性ヘルパーT細胞、メモリーB細胞、リウマトイド因子(Rheumatoid factor; RF)産生細胞を標的とする。胚中心、濾胞辺縁帯、濾胞間領域およびハッサル小体の4つの領域に別け、各領域における陽性細胞を5カ所ずつスコアリングし、その平均を比較検討する。

(3) Reverse transcription polymerase chain reactionを用い、RFのmRNA発現をRA例とMG例で確認する。

②研究機関名 病理診断学講座

③保有する個人情報に関して問い合わせ,苦情等に関して
*研究対象者が識別される試料や情報の利用に関して、研究対象者またはその代理人により拒否の申し出があった場合は、直ちに研究対象から除外いたします。ただし、試料や情報に関して匿名化がなされた後は個人を特定できないため、研究対象から除外できない場合があります。

連絡先:
  病理診断学講座 〒990-9585 山形県山形市飯田西2-2-2
  Phone 023-628-5238
  Fax 023-628-5240



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