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3.研究の背景と目的

背景

脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)は、脳脊髄液の漏出により頭痛、めまい、悪心、嘔吐、聴力障害等を引き起こす疾患で、50年以上も前にその疾患概念が提唱され、低髄液圧症候群に関しては世界同一の概念でコンセンサスが得られている。

一方、ほぼ同義語で用いられてはいるが、低髄液圧症候群から比べると後年提唱された脳脊髄液減少症の中に低髄液圧でないものも存在する等の個人的経験の論文があり、その為、疾病の定義に混乱が生じ、我が国ではいくつかの問題が最近指摘されている。

低髄液圧症候群の診断基準としては、国際頭痛学会、日本神経外傷学会の診断基準も存在するが、例えば国際頭痛学会の診断基準は、症状が中心の判定基準であり、さらに診断的治療法(ブラッドパッチをして症状が消えれば本症と診断する)が用いられているなど科学的でない。そのため、科学的な診断基準に基づく本症の患者数や原因疾患別等の検討は未だなされていない。

近年、我が国では、本症と交通外傷の因果関係をめぐる問題が生じ、種々の社会問題を起こしている。例えば、過剰医療と見逃し医療の問題、種々の疾病がこの疾患とされるものに含まれている可能性などである。その問題を解決する為には、本疾患の臨床像および診断基準を明確にする必要性がある。


研究の目的

本研究では、基本診療科である日本脳神経外科学会、日本整形外科学会、日本神経学会、本症に関連のある日本頭痛学会、日本神経外傷学会、日本脊椎脊髄病学会、日本脊髄障害医学会からの代表、診断に関連のある放射線医学、疫学・統計学の専門家から構成された研究組織により、これまで髄液漏の根拠とされていた画像診断所見の疾患特異性、髄液漏と症状の因果関係を検討する。その結果から、脳脊髄液減少症の科学的根拠に基づく診断基準を作成、本症の原因疾患、特に問題となっている「むち打ち症との関連」の疫学的解析や有効な治療法の検索を行い、最終的には「学会間の垣根を取り払い、誰がみても納得できる診療指針(ガイドライン)」を作成する事が本研究班の目的である。

























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