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研究代表者挨拶

 私どもは、平成19年度から厚生労働省科学研究費補助金を受け、まず、脳脊髄液減少症の中核を成すのは「脳脊髄液の漏出」であると規定し、平成23年10月に本症に関連する8学会(日本脳神経外科学会、日本整形外科学会、日本神経学会、日本頭痛学会、日本脳神経外傷学会、日本脊髄外科学会、日本脊椎脊髄病学会、日本脊髄障害医学会)が協力して「脳脊髄液漏出症の画像診断基準」を公表いたしました。この基準が公表されたことで、保険適用外であったブラッドパッチ療法が先進医療として平成24年6月に承認されました。更に研究班では、臨床研究を行い、平成27年度までに脳脊髄液漏出症に対するブラッドパッチ療法の有効性・安全性を確認いたしました。これらの研究成果と、先進医療承認施設の治療実績が認められ、平成28年4月より、本研究班の診断基準で脳脊髄液漏出症と診断された患者さんにおいてはブラッドパッチ療法が保険適用となりました。
 しかしながら、従来から指摘されている“この診断基準を満たさないが「疑いあり」とされる非典型例”に関しては、その存在も含めて未解決のままです。また、小児の脳脊髄液減少症に関しては、近年、学会発表、論文発表が相次ぎ注目されていますが、まだ病態は明らかではなく、適切な診断方法、治療方法は確立していません。成人例と異なり、学校内での体育授業、クラブ活動によるスポーツ外傷、学校内での転倒、転落、傷害、通学中の交通事故などが発症の原因に挙げられています。起立性調節障害や難治性片頭痛、心身症と診断される例も多いとされ、不登校の原因になっていることも少なくないと言われています。本研究班の画像診断基準は、主に成人についての研究から導きだされた診断基準であり小児に当てはまるかどうかは検討されておりません。
 このような背景により、今回、新たな研究費を受け、「脳脊髄液減少症非典型例」および「脳脊髄液減少症小児例」の病態解明、診断・治療法の開発を目的とした研究を開始致しました。本研究班の研究成果が、医学的にも社会的にも貢献できることを期待しています。
 最後に、本研究班を代表し、脳脊髄液減少症の患者の方々だけではなく、国民の皆様の本調査研究に対する、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

脳脊髄液減少症の非典型例及び小児の診断・治療法開拓に関する研究班
研究代表者 嘉山 孝正
     平成28年4月



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