『自然免疫に見る米国社会』K.Y.さん (無断使用禁止・著作権は学生自身に帰属)

 今回、私は免疫学と社会現象を比較するに当たって、マクロファージの貪食作用と現在の米国社会における移民排斥化を比べたいと思う。マクロファージが行う貪食作用は、…中略…、体液性免疫や細胞性免疫に比べると、その流れは、はるかに単純である。

そして、この免疫反応に、現在の米国社会で生じている移民排斥現象に類似している部分があると考える。それは、米国は移民を異物として社会から排除しようとする点である。テロリズム・失業率の増加・社会福祉の低下、多くの理由から移民が攻撃の対象となってしまっている。

 私たちが多くの微生物(異物)の恩恵を受け、共存の上に健康が成立している事を忘れ、必死に除菌しようとする事はむしろ自己免疫疾患に近いと考える。

では、マクロファージの貪食作用と米国との間にある相違点は何だろうか?それは、人間社会の場合は、教育によって状況を改善できる事である。効果が表れるのは遅く、一朝一夕で解決するものではないが、全体が健康になることを最終目標とすると、この事が一番の近道だと考える。

 さて、これらの相違点から見える新しい免疫の獲得方法とはなんだろうか?それは、免疫寛容を用いることである。具体的には、iPS細胞を用いて培養した免疫細胞に特定の物質に対する免疫寛容を起こすように処置を施し、人為的に免疫寛容を獲得することである。



武田コメント:ちょうどトランプ大統領当選の時期と、このレポート提出時期が重なったことから、
updateな社会的風刺も効いていてよいと思いました。素晴らしい。この類の例えとして、イジメ問題などを類似例に挙げたレポートが複数みられました。自然免疫系が、無差別に排除する機構としてのイメージが強いのだと改めて思いました。また、異質の者との融和することと、免疫寛容との間に類似性を感じている学生も多いようでした。 

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