『好中球と常備軍との類似性について』H.B. さん (無断使用禁止・著作権は学生自身に帰属)

1.好中球の主な働きについて

 好中球は、顆粒球の一種であり、中略…。 ここでは、自然免疫としての好中球、即ち、免疫の先兵としての好中球の働きについて注目したい。


2.
好中球と常備軍との類似性について

 さて、好中球が単球やBリンパ球などと決定的に異なるのは、平時から既に武装した状態にある。ここに、好中球と常備軍との類似性がある。常備軍とは、常に武装する軍隊であり、戦時となると同時に敵を攻撃、あるいは自国を防衛するものである。この常備軍を持たないということは、即ち、必ず敵に先制攻撃を許してしまうことである。場合によってはこの先制攻撃が、戦局に大きく影響してしまうだろう。これが、両者の類似点である。


3.
好中球と常備軍の相違点について

 両者の相違点を挙げるならば、やはりその行動範囲だろう。常備軍はいつでも他の国に出撃することが可能であり、また、実際に出撃するものである。これに対し、好中球は自国、即ち、身体から出ることはない。免疫系の戦いは、常に防衛戦なのである。

 また、戦争の終結という局面においても決定的に異なる。戦争を終結させるには、次の三つの方法がある。第一に、当事国どちらかの降伏。第二に、当事国の一方、または、双方の全滅。第三に、当事国以外の国による和平調停の受諾である。しかし、免疫における戦争では、第二条件以外は、全く成立しないのである。免疫系の戦いは、常に殲滅戦なのである。


4.
相違点から見出される新規免疫応答について

 上に上げた二つの相違点から考えるならば、出撃するシステムと講和するシステムであろう。そもそも身体内で戦闘行為が起こらなければ、身体に被害は生じないのである。ただし、この場合は、兵士である免疫系の細胞が身体の外でもその機能を失わないシステムが必要である。次に、講和システムであるが、これは、いつか我々の側が全滅しないために必要である。戦争を起こす力は国境で生まれるのだ。即ち、我々の身体の境界を従来よりも拡大し、今まで敵としていた抗原も自らの一部とすることで、戦争を防ぐシステムである。


5.
参考文献

・永遠の平和のために

・沈黙の艦隊

武田コメント:衛生学的戦略が出撃システムに相当するかもしれないが、好中球が口から飛び出して細菌をやっつけたら面白い!! 息を吹きかけると消毒できるとか。寄生虫感染や妊娠など、実は、殲滅戦を避ける自己防衛システムと考えると、新たな視点を生むと思いました。構成も素晴らしい。

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