高次脳機能およびその障害の解明に向けての具体的な取り組み

脳は驚くほど複雑な器官です。スーパーコンピューターの比ではありません。その複雑な脳の仕組みを少しでも明らかにしていくためには、多角的なアプローチが欠かせません。

  1. 臨床的アプローチ
    脳損傷とそれによって生じる高次脳機能障害を検討するのは、高次脳機能を知る基本です。現在ではMRIによって脳の損傷部位を極めて正確に同定し、症状との関連を検討することができます。また、パーキンソン病などの神経疾患において、高次脳機能障害を系統的に検査することにより、疾患特異的な病態を見いだすことができます。
     
  2. 神経機能画像によるアプローチ
    機能的MRIや脳磁図を用いると、認知機能に関連して活動する脳の変化を、リアルタイムで測定することができます。
     
  3. 覚醒下手術による脳機能マッピング
    脳外科との共同研究として、術後の機能障害が最小限になるように、脳を直接刺激して機能部位を同定しています。また、課題遂行中の皮質脳波を記録することにより、脳機能を同定する試みも進めています。
     
  4. 認知心理学的アプローチ
    健常人における認知機能の処理過程について、精神物理的な手法を用いて検討しています。特にグローバルCOEの一環として行われている地域高齢者の脳機能に関する研究に協力し、後期高齢者における認知機能の特徴の解明を行っています。
     

これらの手法を統合的に用いることが、高次脳機能の神経基盤および障害が生じるメカニズムの解明につながります。