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020516:温暖化と汚染でホッキョクグマに生存危機

 地球温暖化に伴う活動域の減少と有害な化学物質の影響で、ホッキョクグマの生存が脅かされているとの報告書を世界自然保護基金(WWF)が15日、公表した。報告書は各国の研究者がこの20年間に発表した観察や分析に基づいて作成された。陸上で最大の肉食動物であるホッキョクグマは、現在2万頭以上生息している。北極圏の「生態系ピラミッド」の頂点にあり、その生存の危機は地域の生態系全体の悪化を示している。
 北極圏の平均気温は100年間で5度も上昇した。地球全体の気温上昇の約10倍に当たり、海域によっては海氷面積が30%以上減った。ホッキョクグマは氷の上を移動してアザラシや魚を捕獲しており、報告書は「海氷が解けるのが1週間早くなると、ホッキョクグマはエサを食べる機会が奪われ、体重が約10キロ落ちる。カナダで観察されたホッキョクグマの栄養状態は悪い」と指摘した。
 ノルウェーは約2000頭のホッキョクグマが生息するが、体内から高濃度のPCB(ポリ塩化ビフェニール)が検出されたり、ペニスのある奇形のメスが1・5%の割合で見つかり、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)の影響が疑われている。報告書は「ホッキョクグマは人間の居住地域とほとんど重ならない、手付かずの環境で暮らしている」と述べ、有害物質による汚染が地球全体に拡大していることを懸念している。 

情報源:毎日新聞、2002年5月16日